ミャオ族の服飾 身体に刻まれた歴史をまとう
中国南方の民族のなかで、ミャオ族の服飾は、もっとも豊富多彩であり、百あまりがあり、中国民族服飾の粋といわれる。ミャオ族には文字がなく、これらのミャオ族の民族の服飾は、一種の文化を伝えるキャリアーであり、実用的価値と鑑賞上の価値のほかに、深い精神的な内容を持ち、文字なき歴史の書籍とも呼べる。
ミャオ族の服飾は、制作上、高レベルであり、ろうけつ染めと刺繍がその代表である。制作の過程で、ミャオ族の服飾は、主要な手技を用いるほか、そのほかの技法も用いて、服飾の図案、フォルム、構図を多様にし、鮮明な民族芸術の風格を持たせる。
「服」について語れば、「飾」を欠かすことはできない。ミャオ族の娘が重要なイベントに参加するとき、一体、どれほどの装飾品をまとうのか。博物館のなかに、この問いの回答がある。同館では、貴州の銀職人が結婚する娘のために作った銀の飾りがあり、それには百余りもの装飾のパーツがつき、重さは5キロ余りもある。盛装したミャオ族の娘たちが集まって成す美しい銀色の世界が想像できる。
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施洞ミャオ族の銀の髷飾り |
施洞ミャオ族の銀の龍の形の首飾り |
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ミャオ族の銀の龍骨形の首飾り |
ミャオ族の円形の銀の衣のパーツ |
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ミャオ族の銀の花かんざし |
ミャオ族の銀の鳳凰かんざし |
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ミャオ族の模様つきの銀の指輪 |
ミャオ族の銀の衣のパーツ |
ミャオ族の服飾の美は、目でみてこそ深く体感できる。ミャオ族の服飾は、民族服飾博物館のなかの最も特色あるホールであり、ここで展示されるミャオ族の服飾の数量と様式は同様の機構のなかで屈指のものである。
民族服飾の貴重品を保護し 民族服飾文化を継承する
現代社会の発展につれ、多くの民族の伝統の服飾が失われつつある。このような貴重な民族の服飾を保護するため、博物館のスタッフは、民族の地域に深くはいりこみ、民族学の意義と審美的価値を備えた民族の服飾を可能な限り収集し、整理し、民族の文化遺産の保護に貢献している。
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中国民族伝統服飾工芸伝承館 |
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工芸伝承館で行うチャイナドレス製作の授業(民族服飾博物館提供) |
このほか、より多くの人に中国の伝統服飾文化を理解してもらうべく、博物館は中国民族伝統服飾工芸伝承館を設け、民族の服飾に興味を持つ人々にむけて紹介をし、伝統の服飾を制作するための技術を教え、人々が手を動かしながら互いに交流ができる場にしている。10月には、博物館はさらに漢族の服飾とオリンピックの服飾の2ホールを新設し、館内の展示内容をさらに豊富なものにする。
民族の服飾に興味を持つ人が博物館を訪れれば、すぐ目の前でコレクションを鑑賞でき、中国の民族服飾の美を細やかに味わえることは確実である。
博物館住所:北京市朝陽区和平街北口桜花東路甲2号北京服装学院総合ビル3階
開放時間:火曜と木曜 午前 8:30~11:30 午後13:30~16:30
土曜 午後 13:30~16:30 (休日、冬休み、夏休み 閉館)
電話:010-64288259 010-64288261 |
北京の博物館探訪① 水道の物語 ――「北京自来水博物館」
人民中国インターネット版 2009年7月30日
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