文・写真=馬島由佳子
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大腸がん腹腔鏡手術を行う伊藤医師 (写真=渡辺宏道氏) | 11月11日、山東省済南市にある山東大学齐鲁医院にて、国際腹腔鏡結腸直腸がん手術研究会が開かれた。国立がん研究センター東病院の外科医、伊藤雅昭医師が執刀する大腸がん腹腔鏡手術が行われ、伊藤医師が執刀する手術は、病院内の会場に、テレビモニターを通して実況中継された。手術後、下部直腸がん手術技法についての講義が開かれた。
直腸がんは胃腸によく見られる悪性腫瘍の一つで、胃と食道がんについで発病率が高い。なかでも、肛門から3~5cm以内にできる悪性腫瘍は骨盤内にあり、周囲に多くの重要な臓器があって外科手術が難しいといわれている。
腹腔鏡(内視鏡の一種)による下部直腸がんの手術は、現在、国際的に公認された最良の治療方法。開腹せずに、腹腔鏡を用いて腫瘍部分だけを切除するのと同時に、永久的人工肛門をつけずに肛門を温存することができる。また、この方法であれば、がんの再発率も低く抑えることができる。しかし、中国では、この腹腔鏡を使って手術ができる外科医は少なく、普及に至っていない。
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山東大学齐鲁医院での講義 |
上海の会場で講演をする伊藤医師 |
山東大学齐鲁医院肝胆外科の医師で山東大学外科教授である牛軍医師は「腹腔鏡手術の先進技術を学べる得がたい機会となりました。伊藤先生は手術も講義も熱意がこもっていて非常に素晴らしい。また、ぜひ済南にいらしていただき、今回参加できなかった外科医らに指導していただきたい」と述べた。
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中日友好医院姚医師(右)と於保医師(左) | 11月12日、上海市で上海長征医院主催による「2011結腸直腸病学国際フォーラム」が開催された。済南に続き、伊藤医師による下部直腸がん腹腔鏡手術技法の講演が行われ、200人余りの出席者が熱心に耳を傾けた。
北京市にある衛生部中日友好医院姚力医師の直腸がんについての講演も行われた。今回日本語通訳も務めた姚医師は「日本は高度な外科技術を持っている。その素晴らしい技術を中国に指導伝達していただくことは、中国の医師と患者のためになり、さらには友好を深める中日交流になる。北京市の中日友好医院を窓口として、医学交流を続けていきたい」と熱く語った。
今後も中国各地でさまざまな中日医学交流が期待される。
関連リンク: 大学生の未来が輝くように ―――中日外科医が共同で難病の手術
人民中国インターネット版 2011年11月16日
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