では、さまざまな伝説に彩られたその他の多くの名茶はなくなってしまったのでしょうか。そんなことはありません。
①茶樹の形態によって命名された、酔海棠、酔洞賓、酔貴妃、釣金亀、玉麒麟、鳳尾草など。
②茶樹の生長環境によって命名された、不見天、過山龍、水中仙、金鎖匙、半天腰など。
③茶樹の葉形によって命名された、瓜子金、金銭草、金柳条、白柳条、倒葉柳など。
④茶樹の葉色によって命名された、白吊蘭、水紅梅、緑蒂梅、黄金錠など。
⑤茶樹の発芽の早い遅いなどによって命名された、迎春柳、不知春など。
⑥茶の香りによって命名された、肉桂、白瑞香、石乳香、白麝香、夜来香、十里香、奇蘭香など。
⑦植樹年代によって命名された、正唐樹、正唐梅、正宋樹など。
⑧神話伝説などによって命名された、大紅袍、白鶏冠、水金亀、呂洞賓、白観音など。
しかし、これらのお茶はものによって入手が非常に難しくなっています。
お茶は嗜好品ですから、名前に惑わされて飲むものではありません。
「これ、有名なお茶だから買いましょう」
「これ、テレビや本に出ていたから飲みましょう」
こんな言葉をよく聞くのですが、あまり感心しません。他人が美味しいと言ったからといって自分も美味しいと思うのは、本当のお茶好きとは言えないのではないでしょうか、ぜひ、さまざまな武夷岩茶を飲み比べてみて欲しいものです。特に岩茶は、さまざまなものを飲んでみることに価値があるのです。
お茶とは本来そうしたものだと私は思っています。さまざまな武夷岩茶を飲んでみて、あえて感想を言わせてもらえば、私は「武夷肉桂」の高級品が好きです。「岩韻」(武夷岩茶の素晴らしさを讃える中国語)とは何かと感じさせてくれるからです。 (棚橋篁峰)
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