北京五輪閉幕式を前に、開・閉幕式総合プロデューサー・張芸謀(チャン・イーモウ)氏はインタビューを受け、「24日の北京五輪閉幕式で、五輪聖火がついに消える時を迎える。しかし、演出を通じ、閉幕式でオリンピック聖火が消えても、その灯は、ひとりひとりの心の奥に永遠に燃え続けることを伝えたい」と語った。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
記者:北京五輪の開幕式が大成功を収めました。閉幕式にはどのような期待をされていますか?
張芸謀氏:開幕式であろうと閉幕式であろうと、私たちはただオリンピックのため、アスリート達のために尽くすだけなのです。閉幕式はこの十数日間、各競技場で全力を尽くしてきたアスリート達への賛美の場なのです。彼ら、彼女たちは世界でもっとも優秀な若者であり、私たちの故郷に来て、自らの素晴らしい才能により無数の中国の人々に感動を与えてくれました。皆さんは北京を離れ、中国を離れ、それぞれの故郷に帰って行きます。私たちは、皆さんにとって北京での想い出が、きっと生涯忘れられないものになると信じています。私たちも、彼ら、彼女たちのことを強く想っています。この数週間にわたり刻まれたすべての記憶は、永遠に忘れられることはないでしょう。ですから、私たちは閉幕式で再び、北京オリンピック主題歌「私とあなた」を歌います。(歌詞を引用して)私とあなたの心はつながっている、おなじ地球という故郷に住む仲間として、私たちは永遠の家族なのです。
記者:開幕式の成功を受け、人々の閉幕式に対する期待が高まっています。閉幕式も開幕式と同様に、素晴らしいものとなるのでしょうか?
張芸謀氏:閉幕式は開幕式とはまた違った雰囲気のものとなります。理由はいくつかあります。まず、会場も開幕式ほど条件が整っているわけではありません。「鳥の巣」は設計段階から、開幕式での演出効果を確実なものとするための特殊な施工が行われてきました。竣工した後も、開幕式のリハーサルは2カ月以上にわたって行われましたが、閉幕式については一部部分についてのみ、わずかなリハーサルしか行うことはできませんでした。
開幕式の後、「鳥の巣」は急ピッチで芝生の張り替えがほどこされ、陸上などの競技に使用されました。閉幕式については「鳥の巣」での本格的なリハーサルが一度もなく、24日の本番を迎えるのです。その演出は開幕式と同じレベルと言うわけにはいきません。次に、開幕式の演出は前回のアテネ五輪の手法を取り入れ、パフォーマンスが終わってから、選手団が入場しました。この方法により、有効に空間を利用することができました。しかし閉幕式は異なります。選手団の入場後に演出が始まるため、競技場内にのこされた空間は限られることになり、各種演出も相当の制約を受けることになるでしょう。さらに、これまでの五輪の閉幕式の歴史を見ると、そのメーンテーマは「お別れ」であり、「なごり」が表現されてきました。すなわち、独創性が大切なのではなく、より大事なのはアスリート達、審判の方々、競技役員の方々、ボランティアの方々、そして観衆の皆さんがオリンピックの栄光を共に享受でき、楽しむことができることなのです。そこには特別な演出など必要もないでしょう。開幕式が「中国」をメーンテーマに表現したとしたら、閉幕式は2008北京五輪の円満な終演への喜びが表現される場なのです。すべての要素は今回のオリンピック、そしてアスリート達にささげられるものです。彼ら、彼女たちが全身全霊を傾けた競技を終えた後、皆さんにはリラックスしてもらい、オリンピックの喜びを存分に享受してもらいたいと想っています。
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