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五輪開・閉幕式プロデューサー・張芸謀氏に聞く

 

記者:開幕式では「絵巻」が非常に印象的でした。閉幕式でも同じような演出がされるのでしょうか?

張芸謀氏:閉幕式の演出には、地下から出現する昇降台など、開幕式で使われた多くの主な装置が再び使用されます。私たちは中心舞台を利用し、「記憶の塔」を演出します。この25メートルの高さの塔は、聖火が消える演出と密接な関係があります。この塔が「聖火トーチの象徴」となり、またパフォーマンスが合い重なって、オリンピックの聖火は永遠に消えないことを表現します。五輪聖火はいつまでもひとりひとりの心の奥に燃え続けるのです。「記憶の塔」は、聖火が消えるのにに続いて登場することになります。これまでのオリンピックでも、聖火の消える瞬間はどれもみな感動的なものばかりでした。私たちが今回演出するセレモニーは、存分に趣向を凝らしたものとなります。

「記憶の塔」は、聖火が消えると共に現れ、塔の上では多数の人間が燃えさかる炎をイメージしたパフォーマンスを繰り広げ、より大きく、より強く、よりインパクトのある「聖火トーチ」を表現します。聖火が消える過程では、私たちは「鳥の巣」の上端全体をつつむリング状のスクリーンを用いて、巨大プロジェクター投影技術を使用、2008北京五輪の全日程の各日のハイライトを映し出します。私たちはアスリートの皆さんが、自身が全身全霊を傾けた競技を振り返ることで、共に閉幕式を想い出の場としていただきたいと願っています。開幕式では、その演出にアスリートの皆さんが参加することはありませんでしたが、閉幕式はアスリートの皆さんと一緒に楽しみ、偉大な聖火が消えるのを共に歓喜をもって迎えることを期待しています。

記者:北京五輪閉幕式には多くの傑出した国内外アーティストが出演します。彼らは閉幕式参加をどのように感じているでしょうか?

張芸謀氏:傑出した国内外アーティストたちは、五輪閉幕式への参加にとても積極的でした。中でも、世界3大テノール歌手のひとり、プラシド・ドミンゴ氏は典型的な一人した。私たちは開・閉幕式の準備期間中、ドミンゴ氏のの代理人を通じ、多くの知らせを耳にしました。氏は北京五輪演出への参加を熱望していました。演出チームは氏の情熱に胸を打たれ、今回是非ドミンゴ氏を我国の著名な歌手である宋祖英さんと共に、閉幕式の舞台で「愛の炎」を披露していただくことにしたのです。

北京五輪開・閉幕式の準備演出段階で、出演するすべてのアーティストは誰も、出演費用に関する問題を出しませんでした。サラ・ブライトマンさん、プラシド・ドミンゴ氏といった世界のトップレベルのアーティストから、中国の世界的映画スターである成竜(ジャッキー・チェン)氏に至るまで、すべての方々が自ら北京五輪開・閉幕式のためにボランティアとしての出演を快諾してくださいました。感動的だったのは、開幕式のとき、成竜(ジャッキー・チェン)氏などのトップスターが退場時間に、多くのアーティストを率い、歌い続けたことです。観衆は会場を後にすることができませんでした。実のところ、これらはテレビ中継では放映されませんでしたが、成竜(ジャッキー・チェン)氏らは文句一つ言わず開幕式演出チームに協力し、自身の歌声で自らの仕事をやり遂げたのです。

記者:五輪招致用の映像も撮影された張監督ですが、さらに3年ちかい月日を費やして五輪開・閉幕式演出の総監督をご担当されました。この極めて稀なご経験は、今後の創作活動にどのような影響をもたらすでしょうか?

張芸謀氏:北京五輪開・閉幕式の総合プロデューサーとして、3年の月日を費やし、このような世界でもっとも影響力のある大型芸術イベントを手掛けることができ、収穫は非常に大きかったです。今回の経験は、今後の私の創作活動にとって本当に有意義なものとなるでしょう。

オリンピックというスポーツの祭典は、全人類の情熱と創造性を体現し、全世界の40億人以上の方々がリアルタイムでテレビを通じ観るもので、実に多くの方々のご協力が必要でした。私はこの3年間、トップレベルの各界の方々のお力を賜り、これはこれまでの映画撮影活動では得られなかった経験でした。異なる観点、異なる経験、異なる背景のアーティストや専門家らが、共に手を携えてひとつの壮大なプロジェクトをめぐり、ブレーンストーミング、実地での操作を行ったこと、これは未だかつて無い経験でした。この3年間の私の生活と創作活動により、私は実にさまざまな方面からの影響を受けました。これは今後の私の人生、そして創作活動にきっとプラスになると、私は信じています。

 

 「人民網日本語版」2008年08月25日

 

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