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歴史とロマンあふれる開会式

 

オリンピックへの憧れ

1908年、天津で発行された英語雑誌『天津青年』に1つの文章が掲載された。内容は、オリンピックに対する3つの問い――中国はいつオリンピックに選手を派遣することができるのか、中国はいつオリンピックで金メダルを獲得することができるのか、中国はいつオリンピックを開催できるのか。

国際オリンピック委員会のロゲ会長は開会式で挨拶を述べた(新華社)


これは、中国人にとって初めてのオリンピックへの憧れであった。前の2つの問いについては、それぞれ1932年と1984年に答えが出たが、3つ目の問いの答えを出すために、中国はまるまる100年努力した。

2008年8月8日夜8時、29個の足跡の花火が、古代と現代の名所が集まる北京の「中軸線」に沿って、南から北へと順々に打ち上げられた。巨人が「鳥の巣」まで喜び勇んで歩いていくがごとく。この巨人はオリンピックの神であり、この夜、中国とともに世紀の約束を実現するためにやって来たのだ。

開会式でのパフォーマンスでは、銀色の五輪のマークがゆっくりと空中に昇った(新華社)


「鳥の巣」の中央には、無数の星の光が集まってキラキラと輝く銀色の五輪がつくられ、古代壁画の中の飛天仙女によって、この神聖な五輪が空へとゆっくりと掲げられた。オリンピックの開催は中国人の夢だった。この夢が現実のものとなるとき、中国人は神話のようなロマンチックなムードを添えた。

第29回オリンピックが北京で開催されるからには、中国の特色を備えていなければならない。各国・地域の選手団の入場は、通常、アルファベット順に行われているが、北京五輪は中国語簡体字表記の画数順で行った。また、各国・地域の中国語及び英語の表記も毛筆で書かれた。これは現代オリンピック史上唯一のことで、中国文化の重要な要素である漢字と書法は、その魅力を世界に示したのである。

聖火の点火式も人々を感動させた。会場に聖火トーチが入ってきたとき、「祥雲」(瑞雲)の模様が描かれた巻物が登場。かつて「体操王子」と呼ばれていた李寧さんがトーチを手に、「鳥の巣」の最上部、高さ40メートルの壁面を走り、それにともなって「祥雲」の巻物がゆっくりと広げられた。

有名なバスケットボールの姚明選手は四川大地震で勇敢に人を助けた「英雄少年」の林浩君(9歳)を連れて中国選手団の旗手を務めた(東方IC) 中国の有名な元体操選手の李寧さんが、北京オリンピックの聖火台に点火し、聖火は「鳥の巣」の上空を焦がして燃えた


巻物には、世界と中国全土を巡った聖火リレーの様子が次々と映し出された。そして聖火台に点火された瞬間、会場中、中国中、そして世界中が沸いた。聖火は勢いよく燃え盛り、人々の努力と希望の情熱に火をつけた。

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国際オリンピック委員会のロゲ会長は北京五輪の開会式について、「平和の祭典であるというオリンピックの主題を上手く体現した。創意と文化を完璧なまでに結びつけ、現代的な技術と方法を使って中国5000年の歴史を世界中に示した」と評価した。(暁勇=写真)0809

 

人民中国インターネット版 2008年9月12日

 

 

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