ここが上海お買い得エリア!
陳筠=文
華やかな上海は、ぜいたくできらびやかな一流のブランドが集まる南京西路や淮海中路以外に、実用的でリーズナブルな別の顔も持っている。七浦路の洋服やアクセサリー、青雲路のメガネ市場、滬西工人文化宮周辺の日用雑貨などなど……。中国で最もおしゃれでかしこいと言われる上海女性は、こうした場所でその鋭い眼力を用いて美しい洋服やアクセサリーを見つけ出し、その口達者ぶりをいかんなく発揮し、安値で自分のものにしているのだ。
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観光客が最も好きなのは新天地や豫園での買い物だが(写真・万全) |
みんな安い物が大好き
数十年前、人々が上海に出張や旅行で訪れたときには、上海の製品を買って帰り記念にしたものだ。それは、上海綿紡廠のタオルや上海せっけんなどのちょっとしたものから、「上海」ブランドの腕時計といった当時としての「ぜいたく品」にまで及んだ。今日、「物資」は全国的に満ち足りた状態で、わざわざ上海で探してまで買うようなものはあるだろうか? また、上海ではどこに行けばお得な品があるというのだろうか?
十数年前、上海にはお買い得品探しに最適の場所がたくさんあった。例えば華亭路や襄陽路市場。そのころ、この二つの通りは観光客や地元客でごった返していたものだ。ここでは品物の色柄・品種がそろっているのは言わずもがな、最新流行のファッションや、最もホットなグッズなど、何でも見つけることができたものだ。
しかし今日、市場計画の整理・改革に伴い、華亭路や襄陽路市場のにぎわいは過去のものとなってしまった。今や、上海でお買い得な品物を手に入れるには、情報を入手してしっかり探さなくてはならないのである。
最大の服装市場・七浦路
七浦路服装卸売市場は南京路商業エリアからタクシーの初乗り料金で行ける距離の、上海の虹口区と閘北区の間にある。ここは、早くから名が知れわたり、1990年代から21世紀の今日までにぎわいが続いている。とくに、襄陽路市場がクローズした後は、七浦路服装卸売市場は上海服飾品探しの主戦場となっている。早い時期には、ここでは地元住民が通りに面して店を出していたが、現在はすでに大型のショッピングビル内で各店舗が営業するスタイルが主流となっている。
七浦路での買い物には、十分に時間の余裕を持って行きたい。なぜなら、いったん入ってしまえば、数時間は出てくることができないし、出てきたくもなくなるから。
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モデルのジゼル・ブンチェンもかつて七浦路服飾市場で撮影したことがある(東方IC) |
もし半日という時間の都合がつくなら、七浦商場と興旺商場という二つのショッピングビルを見て歩くといい。「商場」という名前がついているが、これらのビル内では一軒一軒の小さなショップが独立営業している。ここの品物は玉石混交で、価格優先で品質には何の保証もない安物が並んでいるかと思えば、正真正銘の世界の一流品を探し当てるのも可能だ。
店主の陳さんは、以前七浦路に三軒の店を構えていた。もし2008年末の世界金融危機がなければ、けっこうなもうけがあったはずだ。今、彼は七浦路で小さな中・高級服飾店を経営しており、「七浦路で買い物をするなら、ただ安いものを買いに来てはいけない。もしただ安いだけなら、『淘宝網』などのショッピング・サイトに行けばいい」と観光客にアドバイスをする。「もちろん、小さなネット・ショップの商品の多くは、実は七浦路から仕入れたものだけれどね」
ここでは、ほんとうに一流品を探し当てられるのだろうか? 陳さんは言う。「そのチャンスは十分にあるでしょう。ここの店主たちは、広州や浙江の工場をたくさん知っているからね」
「メガネにかなう」青雲路
流行を追う都市のなかで、メガネはますますおしゃれに欠かせないアイテムとなっている。上海で、どこでメガネを買ったらいいかという話をすると、まず返ってくるのは閘北区の青雲路という答えである。
青雲路メガネ街はかつてメガネの生産拠点だった。1958年に設立された上海眼鏡第二廠があったのだ。1986年、上海眼鏡業には大きな変化があり、上海眼鏡第一、二、三廠と上海眼鏡貿易センターが上海眼鏡総廠となった。2001年には日月眼鏡廠が半停止状態となった。そしてその後、青雲路の眼鏡生産工場は次第に販売街へと変化していったのだ。
現在、青雲路にはメガネ・ショップが軒を連ねている。近視、遠視のレンズ専門店もあれば、サングラスなどファッション・アイテムの店もある。ここは目下、上海で最もメガネの種類が多く、サービスも整ったメガネ専門街であるという。上海眼鏡第二廠、開泰眼鏡市場など20以上のメガネ製造販売企業と20以上の関連商店があり、メガネの生産から販売、修理、検査、特殊メガネのあつらえまで、何でもそろっている。
七浦路と同じく、青雲路のメガネは観光客でも値切り交渉できる。
「メガネは利幅の厚い産業経路を持っていて、正規ルートのメガネ店では、利潤は数倍から数十倍ですが、青雲路では自ら割引をする店も少なくありません」と、いつも青雲路でメガネを探すという女性・何さんは話す。ただし、彼女は視力検査は専門の病院に行ったほうがいいとアドバイスしている。彼女が青雲路でメガネを探す主な理由は、ここではメガネの流行トレンドが見えるからだという。もちろん、値段が安いというのがここの最大の特色であることは間違いないのだが。
上海特色のお買い得街
大連路「海上海」特色街。ここには海上講堂、海上劇場、海上会館がある。演劇、講演などに関心があれば、大連路では文化プログラム探しができるのだ。
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市中心部の江陰路には「花鳥市場」がある(東方IC) |
滬西工人文化宮花鳥市場。観賞用の魚、花、鳥、虫、草などを探すことができる。種類も多く値段も安い。近くの日用雑貨市場には若者向けの品がそろっている。
南外灘軽紡面料市場は、もともと董家渡布料市場が移転してきて形作られたもの。観光客もここで生地を買い自分で洋服に仕立てたり、買った生地でソファ・カバーやクッションを作ることができる。
人民中国インターネット版 2010年11月3日