年に一度の中国の「両会」(全国人民代表大会と全国政協会議)に再び世界の視線が集まっている。「Liang Hui」(「両会」)が固有名詞となった今日、中国の政治体制に対する国際社会の認識も明らかに深まり続けている。中国を観察するには多くの窓があるが、「両会」はその欠かせない1つだ。「両会」に対して多少の観察と認識を持つ外国人なら、大体は中国政治・経済の趨勢に対する誤った判断を減らすし、現実離れした予測に走ることもない。
フランスの中国問題専門家、ピエール・ピカール氏は最近、両会について言及した際「中国は世界に諸外国とは異なる新たな発展モデルを示した。各国の尊重と世界の多極化を基礎に構築されたこのモデルは世界にとって非常に重要だ」と指摘した。
中国人自身は「中国モデル」という言葉をまだ余り使いたがらない。これは人類史上最も困難かつ最も偉大な探求の1つなのだ。だが世界各国は「中国は全く新たな発展の道を歩んでおり、中国の政治体制の構造と運用方式が、この道がどこへ伸びていくかを決定している」との見解で一致している。
近年の外国メディアの「両会」報道・論説は主に2つの点に注目している。その1つが中国の経済動向であり、今年は特にそうだ。世界経済の先行きが不透明で、モデル転換が難易度を増す中、世界第2の経済大国である中国の経済政策の行方は世界に影響を及ぼしている。
もう1つは中国の政治動向だ。政治が不安定だと、経済の安定は難しい。外国メディアは政治を重視する。彼らが中国経済へ伸ばす「望遠鏡」は、往々にして焦点をすぐに中国政治に合わせる。経済情報捕捉の表層の下には、中国政治に探りを入れようとする渇望が存在する。
こうして見ると、「両会」は中国政治を観察する絶好の窓でもある。両会に対する外国の理解や研究を見ると、「両会」の役割を重視し、「両会」から着手して中国政治を理解しようと試みる専門家が増えている。最近、スペインの中国問題専門家、マエストロ氏は「人民代表大会制度は中国の現実に合致した政治制度であるのみならず、時代に合わせて進歩する、発展の活力を備えた政治制度であり、中国の安定と発展に資する政治制度だ」と指摘した。
このような判断はまさに中国政治における「両会」の役割への深い認識に基づくものだ。もちろん、中国の「両会」に対してこのスペインの専門家のような認識を大多数の外国人に期待するのは、まだ余り現実的ではない。多くの人はまだ西側の政治理念をそのまま用いて中国政治を読み解くだろうし、情報収集と観察の段階にとどまっている人も少なくない。
「人民網日本語版」 2012年3月5日
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