「両会」代表・委員:中国経済の「穏中求進」に期待

 

今年は「第12次五カ年計画(2011~2015年)」における「承前啓後(過去を受け継いで未来を開く)」の年に当たり、各改革が引き続き推進される。始まったばかりの「両会」(人民代表大会と政協全国大会)では、経済の話題が依然として高い注目を集めている。「両会」の代表・委員らは「世界経済の成長が鈍化し、金融危機の影響が引き続き続く中、中国経済は昨年安定した比較的速い発展を維持した。各社会事業は新たな進歩を果たし、世界から注目を集めている」との見方を示す。

中国経済の実績は誰の目にも明白

全国政協委員は取材に答え、「中国経済が2008年からの約4年間で達成した実績は誰の目にも明白だ。昨年は金融危機の長引く影響により、先進国では経済復活がなかなか進まず、ユーロ圏の主権債務危機は進展・拡大を続け、新興国も成長鈍化と物価上昇に見舞われた。この困難かつ複雑な外部環境の中、中国経済は依然として安定した比較的速い発展を維持し、GDP成長率9.2%を実現、物価上昇も5.4%に抑えられた。これは、中国政府のマクロ経済調整能力、各種の試練と困難への対応力がますます強くなったことを意味する」と語った。

雲南大学発展研究院の院長である楊先明委員は、「経済成長率などの目に見える指標の他に、中国は構造調整を経済発展の重点に定め、戦略性新興産業の発展に力を入れて経済成長の質を絶えず高めている。またマクロ的に見ると、都市化の歩みが加速するに伴い、中国は消費構造のアップグレードに向けた重要な時期に入っている。このことは将来の発展のために良好な基礎を打ち立てた一方で、近年の発展路線が正しかったことを証明している」と語る。

広西チワン族自治区防城港市党委員会の書記である劉正東代表は「中国は世界第2の経済体になると同時に経済発展を方向転換し、より一層国民生活を重視し、公平を重視し、都市と農村の統一的計画を重視し、地区間の調和を重視し、内需拡大と資源・環境の調和を重視するようになった。これは政治と発展の認識・把握における飛躍と言える」と語った。

今年も依然として課題の多い1年に

代表・委員達は、「世界経済、国内環境のいずれから見ても、経済の安定した成長を脅かすリスクは今年も多く、経済の安定した比較的速い成長を維持することは難しいだろう。今年は極めて複雑かつ課題の多い1年となり、危機意識を強めなければならない」と指摘する。

劉正東代表は、「次なる課題は主に以下の3つ。第1に、金融危機が今なお拡大し、欧州債務危機も収束の目処が見えない今の国際的状況の中、いかに中国経済の『穏中求進(安定を保ちつつ経済成長を促す)』を維持するか。重要なのは、改革の深化、特に独占分野の改革だ。我々は鄧小平氏の『南巡講話』20周年を記念し、改革を一層強めなければならない。第2に、経済発展の一方でいかに生態・環境保護に注目し、経済発展と資源利用を結び付けていくか。第3に、日増しに増える社会からの要求を法制度化・秩序化するため、社会管理をいかに推進するかだ」と指摘する。

代表・委員らは「中国経済成長の原動力の基本的な構造は変わっておらず、経済成長は依然として正常な範囲に留まっている」と口をそろえ、今年の経済成長に対する自信を見せた。

 

「人民網日本語版」2012年3月5日

 

 

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