安定する事が目的ではない。安定がなければ前には進めない。しかし、進まなければ、安定することもない。安定しながら前進する事は、今年の経済任務の基本方針である。国外の需要が落ち込む中、中国経済の発展は何を支えにすればよいのだろうか。市場競争が過激さを増す中、中国経済は何を武器に対抗すればよいのか。今年の政府活動報告は、内需の拡大、特に消費需要の拡大は中国の経済成長の長期的で安定した急速な発展の基本的な立場であり、今年の任務の重点であることを上げた。
「外需が収縮する中、内需の拡大・消費主導に向かう事は中国が発展を維持するための必然的な選択だったと言える」と全国政協委員、中国(海南)改革発展研究院の遅福林院長は指摘し、「国内の消費能力を効果的に放出する事によって、中国経済の今後10年20年の安定した急速な成長を維持する事ができる」と分析する。
消費の拡大の最も抜本的な方法は収入レベルの引き上げであり、将来性が最も期待できるのは都市化である。報告書では、消費拡大の長期的持続可能なシステムの構築を速め、所得分配の仕組みの調整に力を入れること、都市化の安定した進展と都市の基本的な公共サービスが出稼ぎ農民に行き届くようにすることに取り組むことを上げている。
全国政協委員、商務部の黄海元部長助理は「この取り組みによって、中等所得者が住民の主体となり、出稼ぎ農民が都市に馴染みやすくなる。並大抵の事ではできない重大な任務だが、始めなければいけない」と述べた。
報告書は実体経済の発展を強調している。競争が過激化する中、コストの上昇も緊迫しており、産業構造のレベルアップは唯一の活路である。報告書では、産業構造の最適化を上げている。
「戦略的新興産業は中国経済のモデルチェンジの突破口となる」と全国人大代表、中星微集団の劉中翰役員会主席は指摘し、「中国は加工貿易に満足してはいけない。戦略的新興産業をモデルチェンジの足がかりにすべきである」と強調する。
量が多く、幅広い伝統産業の改善・レベルアップは、もっと現実的な選択肢だ。報告書は、今年、技術革新の専用資金の規模を拡大し、伝統産業の改善・レベルアップを促進することを上げている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年3月5日
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