単霽翔委員:文化遺産を尊厳ある存在に

 

文=孫雅甜

全国政協第11期第5回会議の、「文化・体育改革を進め、文化・体育の発展と繁栄を促進する」をテーマとした記者会見が行われ、全国政協委員、故宮博物院院長の単霽翔が、文化遺産の保護と伝承について、これら文化遺産をただあわれみで保護してはいけない、それらを今日の都市発展と人々の生活改善に積極的な役割を果たすものとしなければならないと述べた。

単委員は、ここ数年多くの地方で文化の発展及び文化施設の建設において、過去の歴史にはない、たとえば「唐・宋ストリート」のようなものの建設に熱を入れているが、これは今日の文化建設の方向ではないと指摘した。より多くの注意力とより多くの資金が、本物の、早急に各レベルの文化財保護組織の保護ラインナップ入りが待たれる文化財に注がれるべきだ。そうしてこそ、より多くの文化遺産に今日の社会により大きな役割を果たさせることができる。ただし、これらの文化遺産をただ単にあわれんで保護するのではなく、今日の都市発展と人々の生活改善に積極的な役割を果たすものと見なさなくてはならない。国の文化財行政部門も、もし今日、文化遺産を現実生活の中で尊厳ある存在にできれば、それは都市にとって最も誇る価値のある場所、最も美しい場所、最も尊厳ある場所になるだろうとしている。

次に、文化遺産も経済・社会の発展に積極的な役割を果たすものでなければならない。2008年に国務院発展研究センターが発行した青書にも、現在国が文化遺産に投じる資金1に対して8.1を生み出しているとしており、これは私たちに大きな自信を与える。文化遺産もその保護を通じて時代の強者となると言える。

第3に、文化遺産保護の成果は必ず民衆にメリットを及ぼすものでなくてはならず、必ず幅広い民衆、特に現地の民衆の現実生活にメリットをもたらすべきである。より多くの民衆が文化財保護の中で利益を得てこそ、文化財保護に心を傾けるようになり、文化遺産もより多くの民衆に大きなメリットをもたらすことになる。

 

人民中国インターネット版 2012年3月11日

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