第11期全国人民代表大会第5回会議は3月12日午前10時、メディア多機能ホールで記者会見を行い、中国人民銀行総裁の周小川氏、副総裁の胡曉煉氏と劉士余氏、副総裁兼国家外貨管理局局長の易鋼氏が「通貨政策と金融改革」について国内外の記者の質問に答えた。
【米紙ウォールストリートジャーナル記者】先週土曜日、中国政府が発表した最新の貿易データによると、中国の貿易赤字がかつてない高水準になった事が明らかになったが、これは人民元為替レートが既にバランスの取れた状態になりつつあると言うことでしょうか。貿易データの変化は人民元為替レートの変動にどのような影響を及ぼしますか?
【易網氏】中国は近年、構造調整、内需拡大、貿易黒字の減少、貿易均衡の促進などの政策において著しい成果を上げている。指摘にあった通り、今年1月2月を合わせると、中国の貿易は赤字となった。この赤字が人民元為替レートがバランスの取れたレベルに近づいた事を意味するかどうかについては、私は少なくともこれは一つのポジティブな兆しであると考える。
人民元為替レートの動きを見ると、特に市場の予測から見れば、我々は国内に現物市場と先物市場を持つが、国外にもノンデリバラブル・フォワード(NDF)市場を持っている。それら全体的な予測から、昨年第4四半期以来、人民元レートは比較的持続可能な双方向へ変動するメカニズムを形成している。この予測される双方向の変動は持続期間が比較的長く、柔軟に変動する事が可能であり、新たな傾向となっている。その傾向は今年初めから2ヶ月間持続している。そのため、我々は人民元為替レートの形成メカニズムの整備を強化し、為替レートの双方向への変動をより柔軟にしていく必要がある。国際収支バランスから見ても、市場の予測から見ても、その条件は日に日に出来上がっていると言える。もちろん、市場にとってバランスの取れた為替レートとは何かについては誰一人、正しい答えは出せないだろう。それは市場の需要と供給によって決まるものである。
我々が明確にしたい政策方針は、今後も引き続き内需の拡大、構造調整、貿易黒字の減少、貿易均衡の促進を進めていき、人民元為替レートの形成メカニズムの市場化改革、市場の需給関係が更に大きな役割を発揮できるように推進していく。この改革を推し進めれば、為替レートの形成メカニズムの市場化はどんどん進み、国際収支バランスや経済の持続可能な発展にもプラスに働くと考えている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年3月12日
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