家族構造の変化にともない、「パラサイト族」が徐々に社会の舞台に姿を現し、親世代が成人した子どもの世代を養うという珍現象も起きている。中国人民政治協商会議の景天魁委員(社会科学研究所元所長)はこのほど、「パラサイト族の自立の奨励に関する提案」を打ち出し、パラサイト族にもっと強くなるようにと呼びかけた。「広州日報」が伝えた。
景委員の指摘によると、ある調査の結果、中国の世帯の65%で親世代が成人した子ども世代を養うという現象が起きており、青年層の約30%は基本的に両親に頼って生きている。パラサイト族はますます増加し、増加のペースは急速で、これまで「特定の世帯の問題」とみられてきたものが「社会問題」になったことがうかがえる。
北京大学社会学部の陸傑華教授によると、パラサイト現象は一部の都市で顕著であり、すでに社会問題化している。都市部は一人っ子が多く、世帯の規模が縮小しつつあり、家族観も変化しており、パラサイト問題に注目する必要があるという。
▽専門家「現状を変えるには数十年かかる」 若い世代がたくましく自立し、時代が求める責任を担うように教育し、励ますため、景委員は次のように提案する。若年層に意欲をもたせるための教育を強化し、社会団体が一対一でのサポート活動をより多く展開すること。中学、高校、そして大学の卒業生を対象として、積極的な職業訓練と就職指導を行い、就職と起業の促進に力を入れること。これまでずっと仕事に就くようにとのアドバイスを拒否し、長期間家に引きこもっている若年層に対しては、各種の社会福祉を享受する資格を停止して、「むち」の役割を果たすようにすること、などだ。
陸教授は計画出産政策を段階的に緩め、家族構造を変化させ、子どもの数を増やさなければならないとし、そうすれば家族の中で助け合うようになり、社会的な責任感を育成する上で大きな力になると話す。
陸教授によると、家庭での教育を重視し、両親が子どもを溺愛する現状を変えなければならず、学校も職業に対する尊敬の念を養う必要がある。パラサイト族は知らず知らずのうちに徐々に形成されたものであり、教育を通じて現状を変える必要があり、そのためには数十年にわたって努力しなければならないという。
「人民網日本語版」 2012年3月12日
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