銀行の利益が高すぎると言う点について、全国人民代表大会財政経済委員会の呉暁霊副主任は、中国銀行業の巨額の利益は確かに不合理な部分もあるとした上で、「それは改革のプロセスにおいて生じている問題であり、引き続き改革を推し進めることで解決していく」と強調した。
「現在、銀行業はどのようにして利益を得れば、人々が納得するのかというのが一つの問題となっている」と呉副主任は話す。銀行の金利差が大きく、不透明な手数料もあり、参入基準が高いのは確かに適切ではない。現在、中国の預金金利は3.5%、貸出金利は6.56%で、金利差は3%を超え、国際水準をはるかに上回っている。
呉副主任は「全体から客観的に銀行の利益を見る必要がある」と強調し、「中国の銀行業の急速な発展は、中国の改革と急速な経済成長の恩恵を受けている。改革開放以来、中国経済は連年成長し続け、銀行業はシステム上の難問を解決した後、中国経済の成長に伴って高速な発展期に突入した。間接金融は依然として中国の主体であることを考慮すると、銀行の高額な利益は段階的な要因があることがわかる」と話した。
注目したいのは、銀行業には計営リスクが存在し、それは経済の変動によるところが大きいことだ。「仮に今後、中国の地方債務に大きな問題が発生した場合、銀行は今ある利益を全部使い果たす可能性が高い。各大手銀行は既にこれらの不良債権への備えを強化している」と呉副主任は指摘する。
もし、大手銀行に喜んで中小企業に融資させるのなら、不良債権を相殺する銀行の自主的な権限を拡大する必要がある。中小企業は融資リスクが高く、見返りがあまりにも不釣合いなため、高い金利で相殺しなければ、そのリスクは全て銀行に降りかかってしまい、銀行が耐えられなくなってしまう。もちろん、融資メカニズムの改善を促す事は必須である。例えば、小規模の融資を多く行なっている銀行の税負担を軽減或いは免除することなどによって、銀行のやり方を変えていくことができる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年3月13日
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