政府活動報告(2012)

 

(八)重点分野の改革をよりいっそう推し進めること

改革開放は中国の前途や運命を決める正しい選択である。科学的発展観の要請にしたがい、大衆のイニシアティブを尊重し、大胆に模索し、さらなる決意と勇気をもって、引き続き経済体制や政治体制など諸般の改革を全面的に推進し、発展の困難な課題を乗り越えなければならない。当面および今後の一時期において、改革の重点分野とキーポイントは以下の通りである。①政府の機能をよりいっそう転換したり、マクロコントロール・システムを健全化したり、政府と市場の関係を整えたりすることにより、資源配分における市場の基礎的な役割をよりよく発揮させる。②税財制の改革を推し進め、中央と地方の間もしくは地方の各級政府の間における財政収入の配分関係を整理することにより、中央と地方の両方の意欲をよりよく引き出す。③土地、戸籍、公共サービスなどの制度改革を深め、都市と農村の関係を合理化することにより、工業化・都市化と農業現代化との調和の取れた発展を促していく。④社会的事業や所得分配などの改革を推し進め、経済成長と社会発展との関係を適正化することにより、社会の公正と正義を効果的に保障する。⑤法律に基づく行政と社会管理の刷新を推進し、政府と公民・社会機構との関係を明確化することにより、サービスを重視し、責任を持つ廉潔な法治政府づくりに取り組む。一方、今年の改革の重点課題は次の通りである。

税財制・金融体制の改革を深化させる。分税制の充実を図り、移転支出制度の健全化に取り組み、一般的移転支出の規模と割合を高める。県レベルの基本的財政力保障体制の完備を図る。地方財政の予算と決算の公開を着実に推し進める。国庫集中受払、政府調達と国債管理の制度改革をいっそう進めていく。消費税制度の健全化を図る。資源税の改革を全面的に深め、価格に基づく徴税の適用範囲を拡大する。国有持株大手金融機関の改革をよりいっそう進め、小型金融機関を規範にのっとって発展させ、小企業・零細企業と「三農」をサポートする体制・仕組みを充実させる。銀行業に対する監督・管理の新たな基準を実際に採用していく。預金保険制度の導入を推し進める。政策的金融機関の改革を深化させる。新株発行制度と上場廃止制度を充実させ、投資家の利益と権利の保護を強化する。債券市場の発展に努める。保険業の改革と発展を推進する。金利の市場化改革を深化させる。資本勘定における人民元の交換性の実現を着実に推し進めるとともに、クロスボーダー取引・投資における人民元建て決済をいっそう促進する。

多様な所有制経済の共同の発展を促進する。不退転の決意で公有制経済を打ち固め、発展させるとともに、非公有制経済の発展を揺るぐことなく奨励、後押しし、導いていく。国有経済の戦略的調整を徹底して推し進め、国有資本の参入・退出の分野を明確にした上合理的に流動する仕組みを整える。鉄道・電力などの業種のさらなる改革を検討する。非公有制経済のいっそうの発展に関する諸般の政策・措置を充実させ、確実に実行し、独占を打破し、参入基準を緩和する一方、鉄道・市政・金融・エネルギー・電気通信・教育・医療といった分野への民間資本の参入を奨励し、各種所有制経済が公正に競争し合いながら共に発展していく環境を整備する。

 

価格改革を深化させる。電気料金の改革を着実に推し進め、民生用電気料金の従量制の改革案を実施し、水力発電と原子力発電および再生可能エネルギーの価格設定システムを整える。石炭価格と電力価格の関係を逐次調整し、適正化していく。精製油の価格改革を適切に行い、天然ガスの価格改革を推進する。極めて厳格な水資源管理制度を実施し、地域ごとの水資源の使用料徴収基準を合理的に設定・調整し、農業用水価格の総合改革を推し進める。二酸化炭素やその他の汚染物質の排出権取引を試験的に実施する。

所得分配制度の改革を深化させる。所得分配体制改革の包括的な計画案の策定を急ぐ。分配国民所得に占める住民所得の割合、第一次分配における労働報酬のウェートを引き上げることに努める。賃金制度を充実させ、正常な昇給メカニズムを構築し、最低賃金ベースを着実に引き上げる。住民の財産所得を増加させるための条件を作り出す。公共的資源の譲渡に伴う収益を全国民が共有できるメカニズムを確立する。高所得層に対して税収による調節の度合いを大きくし、国有企業、金融機関における役員の高所得を厳格に規範化する。中所得層の占める割合を高めるとともに、低所得層の所得を増大させる。これにより機会均等を促す。さらに所得分配の秩序を規範化させ、合法的所得を効果的に守る一方で、不法所得を断固として取り締まり、所得格差が拡大する傾向をできるだけ早く是正する。

事業体の分類改革を積極的かつ着実に推進する。事業体を科学的に分類した上、分類別の指導、業種別の推進、ランク別の組織化、段階別の実施という方針に従い、事業体の管理体制改革と人事、所得分配、社会保障の制度改革を深化させる。

行政改革のテンポを速める。社会主義民主を押し広め、法律に基づいて民主的選挙、民主的政策決定、民主的管理、民主的監督を実行し、人民の知る権利、参加する権利、表現する権利、監督する権利を保障する。法律に基づいて国を治める基本方針をあらゆる面で貫き、憲法と法律の権威を尊重・擁護し、法律に基づく政権運営を厳格に進めるとともに、法律に従わない、法律の執行が手ぬるい、違法行為を野放しにする、乱暴な態度で法律の執行に臨む、汚職に手を染め職務を怠る、法の番人が腐敗している、といった問題を断固是正する。廉潔政治の建設を強化し、反腐敗闘争を徹底して展開し、腐敗の撲滅・予防体制の整備にかかわる長期的で基本的な取り組みを着実に推し進め、人民大衆が強い不満を抱く際立った問題の解決に力を入れる。法律に基づいて行政審査・認可項目の設定・実施・整理・規範化を厳格に進めていく。指導幹部が政府調達や工事の入札、土地使用権・鉱業権の競売などの経済活動に介入することを断固禁じる。指導幹部の廉潔政治に関する諸般の規定を徹底させる。行政に対する監督、民主的監督、世論による監督を強化する。党規・法律違反の案件を断固として取調べ、処分し、腐敗分子を厳しく取り締まる。

 

   <<   9   10   11   12   13   14   15   16   >>  

印刷
 
全人代の由来 >>
全国政協の由来 >>
全人代の日程 >>
全国政協の日程 >>
全国人民代表大会機構図 >>
全国政協委員会機構図 >>
人民代表の選出
人民代表大会制度について
人民政治協商会議について
全人代の立法手続き
全人代常務委員会の立法手続き
これまでの全人代の期間と人事
リンク
第11期全人代と全国政協第4回会議
第11期全人代と全国政協第3回会議
第11期全人代と全国政協第2回会議
第11期全人代と全国政協第1回会議
第10期全人代と全国政協第5回会議
第10期全人代と全国政協第4回会議
第10期全人代と全国政協第3回会議
第10期全人代と全国政協第2回会議
第10期全人代と全国政協第1回会議
 
人民中国インタ-ネット版に掲載された記事・写真の無断転載を禁じます。
本社:中国北京西城区百万荘大街24号  TEL: (010) 8837-3057(日本語) 6831-3990(中国語) FAX: (010)6831-3850