2011年度国民経済・社会発展計画の執行状況と2012年度国民経済・社会発展計画案についての報告

 

(三)小さな問題と根本的な問題を一緒に解決し、総合的な施策を講じて、物価総水準の基本的安定を保つ。⑴ 市場の供給を確保する。農産物・副業生産物の価格の安定化を、物価の安定を保つ上での重点課題として位置づける。「米袋」省長責任制と「買物かご」市長責任制を徹底させる。重要商品とりわけ生活必需品の生産・運輸・販売の整合性を強化し、政府の備蓄体制と商業備蓄体制を整え、主要農産物の買付・備蓄と放出を上手に行い、輸出入に対する調節に力を入れる。引き続きトウモロコシの高付加価値商品への加工を厳しく規制する。⑵ 流通コストを減らす。流通費の引き下げに関する総合的対策を制定し、実施する。引き続き生鮮農産物輸送の「グリーン通路」 政策を実施し、公益的農産物の卸売市場、自由市場などへの助成策を徹底させ、大中都市にディスカウント・ストアを普及させ、食糧と食用油の倉庫施設の整備を支援し、農産物のコールドチェーンと食糧の現代的物流を鋭意発展させる。西部地区において政府が銀行融資により建設した二級自動車道路の通行料金を早急に廃止し、自由市場や、大規模小売企業の施設使用料徴収を規範化する。物流業者に対する営業税差額課税政策の試行範囲を拡大し、大口商品貯蔵施設の都市土地使用税に関する政策を確実に実施し、一部の農産物の卸売・小売段階に課する付加価値税政策を見直し、充実させる。スーパーや、学校、卸売市場などへの農産物の産地直送を広く普及させる。⑶ コントロールの能力を高める。食糧、ブタ、食用油、化学肥料、電力・石炭など重要商品の価格コントロールの予備案を充実させる。基本的な野菜の品種にかかわる政策的保険制度の確立を急ぎ、冬・春野菜備蓄制度を健全化する。政府の管理下にある商品の価格調整のタイミング、ペース、度合いを適切に把握する。価格調節基金制度を整備し、社会的救済・保障の基準を物価上昇にスライドさせる仕組みを実行し、充実させ、低所得者層の基本的生活を保障する。政府による価格設定商品の生産コストに対する監督・審査や、経営者の値段付けの規範化およびサービス料金などにかかわる法律・法規を制定する。⑷ 市場に対する監督管理を強化する。「三農」や企業、多くの人々の生活にかかわる価格と費用への検査を徹底させ、電気通信サービスの規範化に取り組み、料金体制に対する監督管理を強化し、電力・石炭の契約の履行状況に対する検査を行い、石炭にかかわる基金と料金を整理し、商業銀行の手数料に対する特別検査を行い、交通運輸分野におけるむやみやたらな罰金・料金徴収を整頓し、引き続き独占価格禁止の法令の執行を強化する。さまざまな価格違法行為を厳しく取り締まる。

(四)「三農」への取り組みをたゆむことなく推し進め、農業の安定した発展、農民の収入の持続的な増加を促進する。⑴ 農産物供給の保障能力を増強させる。五〇〇〇万トンの全国食糧増産計画の実施にしっかりと取り組み、食糧の総合生産能力を強化し、穀物の作付け面積を安定させる。重要な農産物・家畜・家禽に対する生産助成策を実施し、漁業行政と漁港整備を強化する。二〇一二年度は、穀物の作付け面積が一億六六七万ヘクタール以上、食糧生産高が五億トン以上、綿花、搾油作物、製糖作物、肉類の総生産高がそれぞれ六〇〇万トン、三二八〇万トン、一億二六〇〇万トン、八一〇〇万トンとなる見込みである。⑵ 農業の科学技術イノベーションの推進を加速させる。栽培・飼育・養殖業の優良品種プロジェクトや植生保護プロジェクト、動物疫病予防システムと農産物品質検査測定システムの整備プロジェクトを引き続き実施し、農作物の優良品種、高効率節水など先進技術の研究と普及を速め、末端の農業技術普及体制の改革と整備を全面的に推し進め、農業労働の生産性を向上させる。⑶ 農業のインフラ整備を強化する。黄河、淮河、太湖などの大河川・湖沼の治水を引き続き推進し、南水北調の中線ルート、東線ルートの第一期工事など重要な水利プロジェクトの実施を加速させ、重点水源プロジェクト整備への取り組みに力を入れ、中小河川の治水、老朽化したダム・水門の危険要因の排除と補強作業、土石流など地質災害のモニタリング・予報・警報システムの整備とその総合対策を強化する。大型灌漑区の整備・節水改良や水利用の効率化を目指す節水灌漑モデル、大型灌漑・排水ポンプ場の更新・改造プロジェクトと田畑の工事整備を積極的に推進する。土地の開発・整理・再開墾にさらに力を入れ、干ばつや水害に強い高水準基本農地を整備する。二〇一二年度は、水利建設資金として中央予算枠内の投資を六八三億元計上し、前年度より三二億元増とする。⑷ 農村の生産・生活条件を改善する。農村の飲料水安全プロジェクト建設を加速させ、農村の再生可能エネルギーを大いに発展させ、農村における送配電網の改良と自動車道路の整備を強化し、農村の老朽家屋の改修を積極的に推進し、遊牧民定住プロジェクトを地道に行う。二〇一二年度は、さらに農村人口六〇〇〇万人の飲料水安全問題を解決することにより、農村の安全な飲料水の普及率を八一%に高め、農村の自動車道路をさらに二〇万キロ改修・建設する。⑸ 「強農・恵農・富農」政策を実行し、充実させる。小麦と籾米の最低買付価格をさらに引き上げて、五〇キロ当たりそれぞれ七・四元と一六元アップさせる。トウモロコシ・大豆・菜種・綿花・砂糖・ブタの臨時買付・備蓄を適時に起動させ、製糖作物の買付価格政策を実施し、充実させる。農業機械の購入補助金と農業生産財への総合補助金を増やし、優良種子農作物への補助政策を充実させ、端境期における化学肥料の備蓄規模を拡大する。農村における第二次、第三次産業、とりわけ農産物加工業の発展に大いに力を入れ、農民専業協同組合の発展への支援に大いに力を入れる。農民工とくに新世代農民工の雇用や社会保障、労働報酬、居住、子供の就学など諸方面の困難の解決を重要視し、条件を満たした農民工が秩序よく都市部に入り、戸籍を転入するよう誘導する。

 

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