2011年度中央と地方予算の執行状況および2012年度中央と地方予算案についての報告

 

(五)国有資本経営予算の収支計画

1 中央国有資本経営予算の収支計画

二〇一二年度は、中央国有資本経営予算の実施範囲をいっそう拡大して、一部の部・委員会に所属するいくつかの企業を国有資本経営予算の枠に組み入れることにより、民生の保障・改善のための支出を増加させる。中央国有資本経営の収入は八四四億元で、一〇・三%増とする。そのうち、利潤収入は八二三億元、所有権譲渡による収入は二〇億元とする。これに前年度からの繰越金三一億七〇〇万元を加え、配分可能な中央国有資本経営の収入総額は八七五億七〇〇万元となる。中央国有資本経営の支出は八七五億七〇〇万元で、一三・七%増とする。その主な内訳は以下の通りとする。中央企業合併・再編支出八〇億元、国有経済・産業構造調整支出一三三億元、重要科学技術革新支出一一〇億元、省エネ・排出削減支出八〇億元、「海外に出ていく」企業の支援支出八〇億元、企業改革助成金支出二二五億元、新興産業発展支出四五億元、国有株売却の収入を全国社会保障基金の補充に充てる支出二〇億一〇〇〇万元、国有企業改革・発展支出五一億九七〇〇万元、公共財政予算へ繰り入れて社会保障などの民生分野に充てる支出五〇億元(二五%増)。

2 地方国有資本経営予算の収支計画

地方国有資本経営収入は四〇二億四九〇〇万元とする。そのうち、利潤収入は二〇八億九八〇〇万元、株の配当金の収入は七六億二〇〇〇万元、所有権譲渡による収入は七九億九一〇〇万元、その他の国有資本経営収入は三六億二〇〇万元とする。地方国有資本経営支出は四〇二億四九〇〇万元とする。その主な内訳は以下の通りとする。企業合併・再編支出三〇億四六〇〇万元、国有経済・産業構造調整支出一六六億九八〇〇万元、科学技術革新・産業化支出二八億一一〇〇万元、省エネ・排出削減支出一六億七九〇〇万元、企業改革助成金支出七〇億二〇〇〇万元、その他の支出四九億一〇〇〇万元。

中央と地方の予算案を総合すると、全国の国有資本経営収入は一二四六億四九〇〇万元となる。これに前年度からの繰越金三一億七〇〇万元を加え、配分可能な全国の国有資本経営収入総額は一二七七億五六〇〇万元となる。全国の国有資本経営支出は一二七七億五六〇〇万元となる。

これまでに述べた公共財政予算と政府系基金予算による教育支出およびその他の財政的教育経費を総合すると、二〇一二年度の国家財政による教育経費支出は二兆一九八四億六三〇〇万元で、GDPの四%以上を占めることになる。

三 法律に基づく財政運営と科学的管理の強化により、二〇一二年度予算を確実に達成する

(一)財政によるマクロコントロールの強化と改善。細心の注意を払いながら経済発展の変化を追い、積極的な財政政策の実施状況を監察し、経済の安定した比較的速い発展の維持、経済構造の調整、インフレ期待の管理という三者の関係を適切に処理し、財政政策の継続性と安定性を保ち、財政によるマクロコントロールの的確性・柔軟性・先見性を高め、財政発展の持続可能性を重視していく。財政政策の効果を発揮させ、経済構造の調整を推進し、個人消費を拡大させ、科学技術革新と省エネ・環境保護をバックアップし、戦略的新興産業と現代サービス業の発展を推し進め、地域のバランスの取れた発展と都市・農村の包括的な発展を促し、経済発展の質と効果を着実に高めていく。物価の安定につながる財政・租税政策の役割を発揮させる。食糧の安定した生産や増産に努め、主要な農産物・副業生産物の供給を増加させる。重要な商品・物資の備蓄と供給を強化し、生活必需品や重要原材料の輸入をバックアップする。現代的農産物流通システムの整備を推し進めたり、物流企業と農産物生産流通過程の税負担を軽減したり、自動車道路の通行料関連政策を充実させることで、流通コストを確実に引き下げる。社会的救済・保障の基準を物価の上昇にスライドさせる仕組みを健全なものにし、都市・農村の最低生活保障や農村の「五項目」扶養の対象者、大学・中等専門学校で学ぶ困窮家庭出身の学生・生徒に対する学資支援策をしっかり実施する。

(二)財政・租税体制改革の深化。財政の移転支出制度を充実させ、一般的移転支出の規模と割合を引き続き引き上げるとともに、一部の特別移転支出の整理・統合を行うことによって、移転支出金の運用効果を高める。省レベル以下の財政体制の充実化と県レベルの基本財政力保障体制の健全化に取り組んで、さらに省レベル以下の財力の均衡化を図ることにより、県レベルの政府の基本的公共サービス能力を増強させる。予算管理制度改革を深化させ、公共財政予算を充実させ、政府系基金予算の規範化推進と透明性向上に取り組む。国有資本経営予算の実施範囲を広げて、社会保障など民生の面の支出を逐次増やしていく。社会保険基金予算編成制度を健全なものにする。部門別予算編成制度改革を県レベルまで徹底して行い、国庫集中受払制度改革を各レベルの政府およびその下級予算部門にまで広げる。政府の会計改革を推し進め、政府財務報告制度を着実に構築する。費用便益分析に基づく予算管理制度の確立と健全化を速める。付加価値税制度を充実させて、営業税から付加価値税への試験的切り替えの実施を推し進める。消費税制度を健全なものにし、省エネ・排出削減を促し、合理的な消費を導く。資源税改革をさらに推し進め、資源節約と環境保護を促す。不動産保有・取引にかかわる課税改革案を検討・制定し、不動産税の試験的改革を着実に進める。都市整備税の改革を推し進める。環境保護関連の租税・費用改革を深化させる。「税を正し、費を整える」という原則に基づいて、行政管理・行政サービス関連の費用・料金徴収と政府系基金を引き続き整理・統廃合していく。

 

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