(二)政府系基金予算の執行状況
二〇一一年度の全国(中央と地方)政府系基金の収入は四兆一三五九億六三〇〇万元で、一二・四七%伸びた。全国政府系基金の支出は三兆九六四二億四三〇〇万元で、一六・八%伸びた。
1 中央政府系基金予算の執行状況
中央政府系基金の収入は一・六%減の三一二五億九三〇〇万元で、予算の一一〇・六%を達成した。主な内訳は、鉄道整備基金の収入六四八億元、港湾整備費の収入一三六億二〇〇万元、宝くじ公益金の収入三一七億四五〇〇万元、大中型ダム建設による住民移転後期支援基金の収入二一七億四一〇〇万元、中央レベルの農村部電力網整備融資返済資金の収入一〇〇億元など。これに二〇一〇年度からの繰越金七九四億八七〇〇万元を加え、二〇一一年度の中央政府系基金の収入総額は三九二〇億八〇〇〇万元となった。中央政府系基金の支出は二・九%増の三一〇三億四九〇〇万元で、予算の八五・八%を達成した。内訳は、中央レベルの支出が五・六%減の二一五六億八七〇〇万元(これには次の支出が含まれる――鉄道整備の支出六八二億九二〇〇万元、港湾整備の支出七三億三五〇〇万元、社会福祉・スポーツ・教育など社会公益事業に用いた宝くじ公益金の支出一九一億二五〇〇万元、中央レベルの農村部電力網整備融資返済資金の支出一〇五億二六〇〇万元など)、地方への移転支出が二九・二%増の九四六億六二〇〇万元。中央政府系基金翌年度繰越金として八一七億三一〇〇万元を支出した。
2 地方政府系基金予算の執行状況
地方政府系基金の地方レベルの収入は三兆八二三三億七〇〇〇万元で、一三・八%伸びた。内訳は、国有地使用権譲渡による収入が三兆三一六六億二四〇〇万元、都市インフラ整備関連負担金の収入が八五七億二六〇〇万元、宝くじ公益金の収入が三一一億六〇〇〇万元、地方教育費付加の収入が六八八億一三〇〇万元であった。これに中央政府系基金から地方への移転支出九四六億六二〇〇万元を加え、地方政府系基金の収入総額は三兆九一八〇億三二〇〇万元となった。地方政府系基金の支出は三兆七四八五億五六〇〇万元で、一八・四%伸びた。内訳は、国有地使用権譲渡による収入から充てた支出が三兆二九三一億九九〇〇万元(これには次の支出が含まれる――土地収用・家屋立退き補償金などのコスト関連支出二兆三六二九億九七〇〇万元、農地開発・整理や農村のインフラ整備および農民向け補助金などの支出二三五一億六〇〇万元、教育支出一九七億四六〇〇万元、農地水利施設整備の支出一二〇億三五〇〇万元、保障タイプ住居プロジェクトの支出六六八億五八〇〇万元、都市不動産管理法に基づく都市整備の支出五九六四億五七〇〇万元)、社会福祉・スポーツ・教育など社会公益事業に充てた宝くじ公益金の支出が三〇一億四〇〇〇万元、都市インフラ整備関連負担金の支出が七四一億四〇〇万元、地方教育費付加による教育支出が三八六億五一〇〇万元であった。地方政府系基金の収入が支出を上回った黒字分は翌年度に繰り越した。
(三)中央国有資本経営予算の執行状況
二〇一一年度の中央国有資本経営の収入は三六・九%増の七六五億二〇〇万元で、予算の九〇・六%を達成した。予算との間に差額が生じたのは主として、国有株売却が予想より少なかったためである。これに二〇一〇年度からの繰越金三五億五九〇〇万元を加え、収入総額は八〇〇億六一〇〇万元となった。中央国有資本経営の支出は四二%増の七六九億五四〇〇万元で、予算の八九・六%を達成した。予算との間に差額が生じたのは主として、国有株売却による収入が少なかったため、それに応じて支出が減ったからである。主な内訳は、国有経済・産業構造調整支出が四九一億六六〇〇万元、中央企業改革・経営難脱却助成金支出が二三億一二〇〇万元、重要科学技術革新支出が三五億元、重要省エネ・排出削減支出が三五億元、海外投資支出が二三億一八〇〇万元、安全生産保障能力整備支出が九億五五〇〇万元、合併・再編支出が八〇億元、新興産業等発展助成金支出が二六億九〇〇万元、公共財政予算へ繰り入れて社会保障などに充てるための支出が四〇億元であった。
(四)積極的な財政政策の実施状況
積極的な財政政策の着実な実施により、国際金融危機の衝撃への対応で収めた成果をさらに打ち固め、拡大させ、経済の安定した比較的速い発展と物価総水準の基本的安定を促進した。
積極的な財政政策の効果を十分に発揮させ、物価総水準の基本的安定を促進した。農産物の供給増加を大いにバックアップし、精製油・化学肥料などの供給を安定させ、養豚業への支援を強化した。備蓄物資市場のコントロールを強め、大手加工企業への政策的食糧・食用油の指定販売を実施した。生活必需商品と原材料の輸入を拡大し、市場需給の均衡を促した。新鮮な農産物を輸送する車両の通行料金を免除したり、有料道路の通行料金を合理化して、流通コストを低減した。都市・農村の低所得層のために諸般の補助政策を実施したり、一部の生活困窮者と公益的業種に燃料費補助を交付して、物価上昇による生活困窮者層への影響を軽減した。
都市・農村住民の所得を増加させ、住民の消費能力を高めた。国民収入の分配関係を合理的に調整し、財政補助の規模を拡大した。農民への補助を増やし、農業のインフラ整備を強化し、財政による貧困脱却扶助開発をいっそう推し進めて、農民の収入増を促した。都市・農村住民の最低生活保障基準を引き上げ、企業定年退職者の基本養老年金を増額し、新しいタイプの農村社会養老保険と都市部住民社会養老保険の試験的適用範囲を拡大し、義務教育の学校および公衆衛生機関と末端の医療衛生機関における業績給制などの政策を実施して、住民の消費力を引き上げた。「家電を農村へ」補助金プロジェクトと「家電買い替え」補助政策を充実させた。商品流通体系の発展をバックアップして、消費環境を改善した。
投資構造の最適化を図り、経済・社会の発展の弱い部分を強化した。中央基本建設投資を主に、保障タイプ住居プロジェクト、水利を中心とした農業インフラ整備、教育・医療衛生インフラ整備、省エネ・排出削減と生態環境保護、新疆とチベットおよび青海など四省(青海、四川、雲南、甘粛)のチベット族居住区域の経済・社会の発展、自主イノベーション、戦略的新興産業の発展などのサポートに振り当てて、建設中または建設の継続を必要とする重点プロジェクトの資金需要を優先的に保障した。また、第十二次五ヵ年計画の重要プロジェクトへの取り組みをスムーズにスタートさせた。
構造的減税政策を充実させて、企業投資と個人消費を引き出した。個人所得税の基礎控除額を毎月二〇〇〇元から三五〇〇元に引き上げるとともに、税率構造を調整し、中低所得層の税負担を軽減した。一部の薄利小企業に対する企業所得税優遇策を引き続き実施したり、付加価値税や営業税の課税最低限引き上げなど一連の租税減免政策を実行して、中小企業の負担を軽減した。六〇〇種類以上の資源関連製品と基礎原材料、重要度の非常に高い部品の輸入関税に比較的低い年度暫定税率を適用した。西部大開発などへの租税優遇策を引き続き実施した。七七項目の料金と基金を廃止または減額して、企業と個人の負担を軽減した。
|