2011年度中央と地方予算の執行状況および2012年度中央と地方予算案についての報告

 

(五)財政・税制改革の進捗状況

引き続き移転支出構造の適正化を図り、一般的移転支出を増やした。県レベルの基本財政力保障体制を充実させ、末端政府の公共サービス保障水準を高めた。二七の省・自治区の一〇八〇の県で、省が県財政を直轄する方式への改革を実施した。公共財政予算の健全化を図り、政府系基金予算を細分化し、国有資本経営予算の実施範囲と社会保険基金予算の試験的編成の範囲を拡大させた。予算外資金を全面的になくして、すべての政府系収入を予算管理に組み入れた。部門別予算、国庫集中受払、政府調達といった予算管理制度を充実させ、予算の実績と効果の全過程にわたる管理を積極的に推し進めた。営業税から付加価値税への切り替え試行案を打ち出して、サービス業の発展を促進した。個人所得税制度を改革した。個人住宅に対する不動産税徴収のテスト改革を行い、個人住宅譲渡営業税に関する政策を調整した。原油・天然ガス資源税の従価課税方式への改革を全国規模で実施して、国内企業と外資系企業に対する原油・天然ガス資源税制度を一本化した。中央財政による補助基準を引き上げ、全国で「廠弁大集体」(中央所管企業傘下の集団所有制企業)の改革を推し進めた。国有金融機関の改革をサポートして、金融企業の業績評価制度を充実させた。

(六)全国人民代表大会で採択された

予算決議の執行状況

第十一期全国人民代表大会第四回会議の関連決議および全国人民代表大会財政経済委員会の審査意見に基づいて、経済発展パターンの転換にプラスとなる財政・租税政策を実施し、重点支出の保障に力を入れ、予算の執行を厳格化し、予算管理制度を健全化して、県レベルの基本財政力保障体制を完備させた。財政管理の科学化・精緻化をさらに推し進めた。財政・租税関連の立法作業を強化し、車両船舶税法施行に向けての作業や、個人所得税法と資源税暫定条例の改定作業を積極的に推し進め、予算法と公認会計士法の改正や資産評価法の制定といった作業を着々と進めた。公共財政予算の編成を細分化して、当初予算の精度を引き続き向上させた。予算支出の執行管理に力を入れて取り組んだ結果、予算執行の進度がさらに加速した。重要な財政・租税政策の実施状況について特別監察を行い、「三農」や医療改革などに関わる重点民生資金への監督を強化し、あらゆる政府系資金とあらゆる財政運営過程に対する監視の仕組みをたえず改善した。「私設金庫」(裏金)特別対策を踏み込んで行い、「私設金庫」設置を防ぐ長期的で効果的な制度を基本的に確立した。中央財政予算・決算の一般公開に力を入れ、一般公開の財政決算を科目区分の項レベルまで細分化した。中央の九二の部門が部門予算表と財政配分表を公開し、部門決算も公開した。省レベルの公共財政予算がすべて公開され、地方部門の予算や末端の財政特別支出などの公開作業が目に見えて加速された。中央と地方の関係部門が「三公経費」(海外出張費・公務接待費・公用車経費)の支出状況を公開した。地方政府の資金調達受け皿会社の債務管理を規範化して、その負債額を整理、確認した。全国人民代表大会常務委員会の質疑に応じて、同委員会に予算執行状況の報告を提出するとともに、審議で提起された意見に基づいて改善策を実施した。これについては国務院がすでに全国人民代表大会常務委員会に状況を報告済みである。

総じて見れば、二〇一一年度予算の達成状況は比較的良好で、諸般の財政活動は新たな進展を見せた。これは、党中央と国務院が科学的な政策決定と正しい指導を行い、全国人民代表大会と全国政治協商会議が監督・指導を通して力強くサポートし、各地区と各部門が緊密に協力して着実に取り組みを進め、全国各民族人民が一体となって刻苦奮闘したたまものである。しかし、われわれは同時に、財政運営と財政活動が依然として下記のようないくつかの困難や問題を抱えている、ということもはっきり認識している。①税制構造にまだ合理的でない部分があり、経済発展パターン転換の促進と所得分配の調節などにおいて財政・租税政策の効果が十分に発揮されていない。②移転支出制度を充実させ、移転支出構造をさらに適正化する必要が依然として存在する。③財政支出構造の調整が難しさを増しており、民生の保障・改善の任務が極めて困難になっている。④地方政府に関わる資金の借入と返済の仕組みが整っていないため、リスクを警戒する必要がある。⑤損失や無駄遣いなどが時折みられるため、財政管理をいっそう強化して、資金運用の効率をいっそう高める必要がある。われわれは以上の問題を高度に重視し、引き続き効果的な措置を講じて、その解決に努めていかなければならない。

 

   <<   1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   >>  

印刷
 
全人代の由来 >>
全国政協の由来 >>
全人代の日程 >>
全国政協の日程 >>
全国人民代表大会機構図 >>
全国政協委員会機構図 >>
人民代表の選出
人民代表大会制度について
人民政治協商会議について
全人代の立法手続き
全人代常務委員会の立法手続き
これまでの全人代の期間と人事
リンク
第11期全人代と全国政協第4回会議
第11期全人代と全国政協第3回会議
第11期全人代と全国政協第2回会議
第11期全人代と全国政協第1回会議
第10期全人代と全国政協第5回会議
第10期全人代と全国政協第4回会議
第10期全人代と全国政協第3回会議
第10期全人代と全国政協第2回会議
第10期全人代と全国政協第1回会議
 
人民中国インタ-ネット版に掲載された記事・写真の無断転載を禁じます。
本社:中国北京西城区百万荘大街24号  TEL: (010) 8837-3057(日本語) 6831-3990(中国語) FAX: (010)6831-3850