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東アジアの文化的符号

貴州 少数民族に共有の楽器 銅鼓とアシの笙

 

銅鼓とアシの笙(しょう)は、貴州の少数民族、および東アジア地区の多くの民族に共有の典型的な楽器であり、古代から伝えられた文化的記号である。

銅鼓は、中国、ベトナム、タイ、ミャンマーなどの国家に広く存在し、中国では主に貴州省、広西チワン族自治区、雲南省など、西南の少数民族地区に主にみられる。

中国の銅鼓は、もっとも早くは春秋後期(およそ紀元前7世紀にあたる)に出現している。研究によれば、歴史上の銅鼓は、古代の中国南方民族が青銅から鋳造した一種の祭儀に用いる器で、祭、戦争、集会、葬送などに用いられ、

また富と権力の象徴でもあった。明、清代以降は、次第に一般的な楽器となった。

貴州は、ミャオ(苗)族、シュイ(水)族、プーイー(布依)族などの少数民族は銅鼓を民族の主な楽器とし、それぞれの村、あるいは主な家族は、一つ、あるいは複数の銅鼓を持つ。銅鼓は、銅で鋳造されており、鼓は一般には直径50センチ、厚みは30センチ、時にはまた違う大きさもある。鼓のなかは空で、底はない。鼓の両側には、銅の輪がついている。鼓の面と胴には、細かな模様が施されている。

現在、中国、日本、および東南アジアの国家において、銅鼓の研究は多くの成果をあげている。貴州の黔東南自治州麻江県のミャオ族とプーイー族が鋳造する鼓には、長い歴史が秘められ、銅鼓の研究の重要な地区である。

アシの笙は、貴州など、中国の西南地区の少数民族が特別に好むリード付きの古い吹奏楽器であり、同地区の民族文化の伝承のうえで、重要な地位を占めている。

史料によれば、中国の唐代、貴州の少数民族はアシの笙を作り始め、多くの優秀な演奏家が生まれたという。古代の笙は、多くが6管、長さが2尺である。

貴州の一部の少数民族では、老若男女がみなアシの笙を演奏し、アシの舞を踊る。伝統の祭日や結婚など重要な催しにおいては、各民族がみな各種の「蘆笙会」を行う。会の規模は壮大で、少なくても数千人、多くは万にのぼる人々が参加する。

アシの笙は、ひとつの文化的プラットフォームである。文字をもたない貴州のミャオ族社会では、伝統の習俗に従い、満12歳の男の子は、かならずアシの笙を習わなければならない。笙は、祭り、娯楽、求婚などに使われるだけでなく、男の子は、アシの笙を通し、歌を歌い、伝統の詩を覚え、知識と道徳を得る。

 

 

 

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