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貴州の儺劇(おにやらいの劇)

 

中国の儺(おにやらい)文化は4種類に分かれる。殷商以降は、宮廷のおにやらいは次第に絶え、現在、チベット仏教区の寺院のおにやらいに残る。また、貴州の軍儺と貴州、広西を中心とする西南および湖北、湖南の地区の儺堂劇に残る。

商代になると、黄河中流域では、「儺舞」により、神を祭り、鬼や疫病を追い払う簡単な儀式とした。漢、唐、宋にわたっては、「儺舞」の規模は次第に縮小し、娯楽の要素を増し、物語は次第に複雑になり、「儺劇」に発展した。

明、清以降は、黄河中流域の「儺舞」と「儺劇」は次第に様式が薄れ、西南少数民族地区では独特の文化環境と閉鎖された地理的要素により、古代の文化習俗は水を得た魚のようになった。

貴州東部の銅仁地区は、中国の「儺」文化圏のもっとも盛んな地方であり、おにやらいの郷」と呼ばれている。漢族、ミャオ族、トン(侗)族、プーイー族、コーラオ(仡佬)族とトゥチャ(土家)族など各民族の「儺堂劇」があり、そのうちトゥチャ族のものがもっとも典型的である。

儺堂劇は、演じられる前に、複雑な法事が行われ、儺大神が祀られる。それはすなわち儺公と、儺母である。法事が厳格に、静粛に行われた後、役者たちが面をつけて登場する。面は、「堂」を数える単位とし、それぞれの数と役割は各地で違う。

儺堂の面は、比較的写実的で、またデフォルメがあり、非常に凝っている。多くは、「正神」「凶神」「世俗の人物」「動物」の4種に分けられる。

「正神」は、善良で正直な髪であり、老若男女、力の大小、職位の高低にかかわらず、表情は温和で、穏やかである。

「凶神」は、凶猛な神であり、妖怪や鬼をとらえ、疫病を駆逐する。フォルムは、人にいて、荒々しく、奔放である。 

「人物」の造形の多くは、体つきが整い、目と眉が秀麗、素朴で誠実な人柄を表し、大げささや装飾はほとんどなく、「正神」の面をさらに世俗的にしたものである。そのなかの「丑角面」は、滑稽な人物を強調させている。民間には「丑角がいなければ劇にならない」という言い方があり、それは重要な役割を果たす。このほか、「儺劇」の中には、動物の面があり、それにはサル王、牛頭、馬面などがある。現在、貴州銅仁地区の劇団は300あまりであり、安順市には200余りがある。

 

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