貴州キンシコウ
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国家一级保護動物のキンシコウ。梵净山国家级自然保護区は貴州キンシコウの世界唯一の生息地だ | 絶滅の危機に瀕する貴州キンシコウは貴州省内の梵浄山にだけ生息する。現在、5つの自然種群が確認され、総数約760匹の個体が記録されている。約1300匹が確認されている雲南キンシコウ、約2万匹が確認されている四川キンシコウに比べ、いっそう保護が必要な国家1級保護動物で、その重要度はジャイアントパンダ、雲南野生ゾウにも相当する。
貴州キンシコウは体形が他の種に比べ比較的大きく、体毛は全体が青灰色で、銀白色と蒼黄色の毛が混じり、美しいまだら模様をつくる。陽光に照らされると体毛がキンシコウ=金糸猴の名の通り金色に輝く。目は丸く、獅子鼻で、動作はおっとりしており、サル類の「貴族」の風格がある。ただ、樹上を駆けめぐる時はすばやい動作を見せ、時速40キロもの速さで駆け回ることもできる。
貴州キンシコウはかつて中国の各地に広く分布していたが、地殻の突然の変動や氷河期の襲来などによって多くの地域で絶滅し、植物の原生態系が残る貴州省の梵浄山にだけ生き残った。きわめて貴重なサル類として手厚い保護が求められている。
貴州蘭
春蘭は貴州省の省都・貴陽市の市の花に指定された。
貴州省は亜熱帯に属し、その自然条件は蘭科植物の生長にきわめて合っているため、省内では71属206種(変種も含む)もの蘭科植物が確認されている。この数は全中国で確認された173属の蘭科植物の41%に相当し、貴州は中国蘭の分布中心地域の一つに数えられる。中でも春蘭は、花色が多種にわたり、自然の突然変異も多く、園芸種としてもきわめて貴重で、「蘭花天然博物館」としての貴州省に近年、国内外から熱い視線が注がれている。
1991年の春に開かれた第1回中国春季蘭花展では、貴州省から出品された「荷型水仙」種の鉢植えが、端正な紅色の花弁と幽玄な香りによって多くの蘭愛好者から絶賛され、金賞を獲得した。2年後、深圳市で開催された第三回蘭花展では「夜郎」と名づけられた鉢植えが、再び金賞を獲得した。紅の「牡丹弁蝶花」の類まれな美しさと香りが人々を驚かせ、愛好者の間に「貴州旋風」が巻き起こったほどだ。貴州蘭は目下、世界の春蘭愛好家の間で押しも押されもしない重要な地位を確立している。 |