亜熱帯の山林を擁する貴州省には、数多くの特産農作物がある。茶や野生の刺梨(イザヨイバラの実)以外では、杜仲、天麻、竹蓀が有名で「貴州三宝」と呼ばれている。
杜仲(トチュウ)は漢方薬の生薬として知られ、その薬効はきわめて高い。降圧作用のほかに、安産、腎臓や筋肉の滋養、背中の痛みや尿漏れ、陰部の湿疹、流産の予防にも効果があるという。貴州省の杜仲は皮が薄く肉厚で、薬効が強いことで知られている。
天麻(オニノヤガラ)は古来より漢方の良薬として扱われてきた。呼吸を安らかにし体のけいれんを停める作用があるほか、めまいや頭痛、手足のひきつりやしびれ、神経衰弱、不眠、リューマチ、小児けいれんにも効果がある。貴州省の天麻はその品質でよく知られている。
竹蓀(キヌガサタケ)は竹参とも呼ばれ、真菌類の一種。貴州省山間部の特産品だ。きめ細かな口当たりと栄養価の高さが特徴で、スープの食材に適している。高血圧に効くほか、コレステロールを下げ腹部の脂肪を減らす効果もあり、「真菌の女王」と呼ばれている。
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貴州省は中国三大杜仲産地の一つである。杜仲を原料して、作る杜仲茶と杜仲酒がある |
竹蓀(キヌガサタケ) |
天麻(オニノヤガラ) |
茅台酒
茅台酒は中国八大名酒の中でも首位をしめる。数回にわたり蒸留をくり返し、その アルコール度数は52度。飲み過ぎても次の日頭が痛くならないのは、その純度の高さを証明しています。一度は飲んで見たい中国酒の1つです。
このお酒は300年以上の歴史をもち国酒として栄誉を博している大変有名なお酒です。中日国交正常化の式典で、両国首相がこのお酒で乾杯を交わしました。コウリャンの独特な香りとの濃厚な味わいは自信を持って、お薦めできる高級品だ。 |
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伝統手工芸では少数民族の女性が作った実用的な民芸品であるろう染めがある。ミャオ族の刺繍や銀装飾品、人形や泥哨(粘土を原料にした人形玩具)も有名だ。
ミャオ族の刺繍
ミャオ族の刺繍は形式が多様で、工芸が精緻であるだけでなく、きわめて豊富な文化内容を持っている。文字のないミャオ族は、優れた刺繍の腕前を存分に活かし、古来のトーテムや歴史神話、風情や民俗、精神世界を一針一針、心をこめて縫い取りしてきた。ミャオ族の刺繍作品には実用と装飾を超えたきわめて高い文化価値が秘められている。
人物の刺繍は、人でもあり神でもあって、ありきたりの人や神の概念をはるかに超越して、その刺繍のある服飾品を身に着ける者が幸せで、邪悪から守られるようにとの深い願いが込められている。動物の刺繍は、古代のトーテムと関連があり、その形象は神聖化されている。
ミャオ族の刺繍の全体の形は、多く幾何学的構図になっていて、さまざまなバリエーションがある。遠くから見ると原色のまだら模様にしか見えないが、近寄って仔細に観察すると、各種の色糸をきちんと使い分けており、複雑で変化に富み、端正で規則正しい細かい刺繍が施されていることを見て取ることができる。 |
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ミャオ族の銀装飾品
苗族の銀飾りは頭飾り、首飾り、腰飾り、手飾りなどの種類がある。苗族の村には必ず銀細工の師匠さんがいて、作っている。銀飾りは苗族のお嬢様が恋する時とお祭りに出る時の欠かせないものとなる。多く付けば付くほど、この家族の豊かさを表している。
大方県の漆物
大方県は有名な「漆の故郷」と言われている。ここの漆物の歴史は三国時代まで遡る。(約1700年程前)1942年にパナマ国際博覧会で銀賞を貰った。現在北京故宮博物院に収蔵されている漆物の中に大方の漆物がある。観賞性もあるし、実用性もあって、なかなか素晴しい土産物である。 |
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ろうけつ染め
ミャオ族、ブイ族などの少数民族の伝統的な蝋染技術である。
銅の薄片で作ったナイフで溶解した蜜蝋を生地につけ、模様の図案を描き、それからそれを藍がめの中に浸し染め、最後に煮てろうを取り去り、青地に白の模様ろう付け染め工芸品となる訳である。
図案は生き生きとして簡潔で、明快的に描き、装飾性をかなり備えている。普通は衣服、スーカト、カーテン、服飾として用いられている。安順にはろうけつ染めの工場がある。多くの村と町も民間の伝統的な生産技術を保存している。 |
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