貴州省は亜熱帯湿潤モンスーン気候に属している。冬寒すぎず夏暑すぎずの気温で、省の大部分では1月の平均気温は3～6度、7月で22～25度となる。年間降水量は1100～1300ミリ程度。貴陽市以西は夏に雨が多く、以東は冬から春にかけて雨が多い。真夏の貴州省では、山々の間に隠された「自然の大エアコン」を存分に味わうことができる。

貴州省西部の六盤水市は、中国気象学会により、気候学的意味では夏がないと定義されている。「中国西南部の炭鉱の都」と呼ばれるこの中高度の標高に位置する都市は、「涼しさの都」の美称も持ち合わせている。省都・貴陽市もまた近年、「中国避暑の都」とたたえられている。貴州省の7月の平均気温は24度。酷暑とはほど遠い。カルスト高原から吹き付ける風が絶えることがない。また「三晴二雨」と言われる晴天と雨天が入り交じった天気で、空気は乾燥せずほどよい湿度を保っている。適量の雲がかかった曇りの日が多く、強烈な太陽光線を浴びることは少ない。

夏の貴州省旅行では、いつでもどこでもその涼しさの魅力を肌で感じることができる。もし日差しを浴びて暑くなったとしても、木陰や日陰で休めばすぐに涼しくなるだろう。昼間は暑くとも、寝る時には薄い蒲団が欠かせない程度の気温となる。