経済発展の注目国は「中国」
世界最大の人口を擁する中国は、90年代以降ますます経済やさまざまな分野で注目される国になると、80年代後半の高校時代、既に気付いていました。私は、まず、大学で中国語を身につけてから中国へ渡ろうと考えました。大学で中国語学科を卒業し、外務省在外公館派遣員として在上海日本国総領事館で約3年勤務、その後大手電気メーカー及びIT会社勤務を経て、ビジネスに通用する中国語と会社経営のノウハウの知識をつけて、現在の貿易会社上海超頂貿易有限公司を設立しました。
あればいい時代から、質の時代へ
弊社の業務メインは中国市場での輸入貿易ですが、広告・販売促進、販売や事業コンサルティング、ショッピングサイト経営、百貨店の売り場づくり(MD)や日本物産展イベント企画・経営も担っています。もともと、本業の合間にインターネットで上海の情報サイトを運営していました。中国の生活・ビジネス・旅行情報を日本と中国在住邦人に向けて掲載していましたが、上海の不動産投資ブームで富裕層と言われる人々が現れ、2006年事業拡大をめざして会社を設立しました。最初はインターネットで販売していましたが、偽物とみられたり流通経路として成熟していなかったために売れませんでした。その後、「日本物産展」という形で百貨店などに出店し、商品を実際に手に取って見ていただくことで購入者が増えていきました。
世界的な市場の上海で日本製にこだわっている商売ですから、日中貿易といっても収益面だけを見れば、現在はあまり良いとは言えません。しかし、2010年の上海万博で、世界の“本物”を見て実際に触れた中国の方々も、「あればいい時代から、質の時代へ」と意識変革が進んでいるように感じます。だから、これからの日中貿易にはさまざまな可能性が大いにあると思います。
ビジネスの一つの鍵は「友好・スピード」
日本人が中国でビジネスをする際は、中国と中国の方との利害関係を一致させ、日本人の精神、日本人の性質を理解してもらうとともに、日本人も中国市場を尊重し、中国の方を理解することだと思っています。また日本人は決定事項にどうしても時間がかかる傾向がありますが、変化の激しい中国においては、時間ロスは、命とりになります。ビジネスをすごろくに例えるわけではありませんが、サイコロで“6”をだそうと時間をかけていろいろと考えるより、一回でも多くサイコロを振る。すなわち “3”を3回出すことを考えるのが中国ビジネスの鍵だと考えています。
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