杭州ヤマハ楽器有限公司副総経理 斉藤実

 

適地は杭州にあり

杭州ヤマハ楽器有限公司は2004年に工場製造を開始しました。主にアコースティックピアノ、アコースティックギターを製造しています。電子ピアノの製造もわずかにあります。ヤマハ楽器公司は、1987年に杭州蕭山市に工場を設立し、ピアノのモジュール生産を開始しました。その後、中国国内のピアノの需要が増加するに従い、蕭山ヤマハ楽器は管楽器生産専門へと転向しました。そして、ピアノ生産はすべて杭州ヤマハ楽器に移りました。杭州に工場を建てた理由は、杭州の気候と湿度が本社のある静岡県浜松市に相似していたからです。構造精密な楽器は環境の影響をとても受けやすいので、楽器の品質保証のために、気候が似通った地区を探しだしたところ、杭州が条件に対し適地でした。

杭州ヤマハ楽器公司工場設立初期は、現地政府の多大な協力をいただきました。ピアノとギターの生産には労働集約型産業に属し、労働者に高い技術レベルが要求されます。そこで、現地政府の協力の下、工場は居住区の近くに建てることを許可されました。こうすることで、豊富な人材を揃えるだけでなく、労働者の交通と住居問題を解消できました。

しかし、居住区近くの工場は欠点もあります。例えば、工場地区内の地域が広大で、工場の配置は比較的ゆったりしていますが、居住区は制限を受けることになります。工場地区内の物流、水道、電気設備は割合整っていますが、居住区は整っているばかりではありません。これに対し、現地政府は問題を解決すべく、絶えず工場周囲の建設を強化し、土地の貸借りに優遇措置をとりました。

中国経済発展によるチャンス

工場建設に伴い、ピアノの年間生産予定数は3万台を目標としました。2004年に操業を開始、初年度の生産量は8千台でした。しかし、その後予想外に、ピアノの需要は毎年1万台のスピードで増加していきました。3年後の2007年には工場生産は極限に達しました。この事態に会社は憂慮しました。ピアノ生産はハイテク高精密な作業です。急いては事を仕損ずるという思いもあります。もう一方、需要の成長は少し止まることがあるかもしれません。そうしたら損失をもたらすかもしれないという不安もありました。

今日、工場のピアノ総生産数は年間5万台にまで達しています。日本本土のいかなるピアノ工場の生産高より高いです。中国で、杭州ヤマハ楽器のピアノ生産量は第2位です。そのうち9割のピアノは、中国国内の販売です。米国のサブプライム危機の影響を受けて、海外の受注は明らかに減少しましたが、中国の需要量はさらに増加しています。中国の経済発展は私たちにチャンスをもたらしたといえるでしょう。

 

 

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