CODA北京センター設立の経緯と役割
一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(略称CODA)は、音楽、映画、アニメ、放送番組、ゲームなどの日本コンテンツ産業の積極的な海外展開を促進することを目的として、著作権関連団体やコンテンツ企業が一致協力して海外における海賊版対策などを講じるための組織として、2002年、経済産業省及び文化庁の呼びかけにより設立された民間団体です。CODAは、日本コンテンツの海外、特に東アジアを中心とした正規流通の阻害要因となっている海賊版問題を喫緊の課題としてとらえ、情報の収集分析、産業界における情報の共有及び効果的な解決策の検討等を、主な事業としています。
北京センター長としての私の役目は、中国における海賊版対策やインターネット上の著作権侵害対策を進めるに当たって、日本の一企業では対応が困難な、現地政府機関、業界団体、事業者等との関係構築を行い、対話の窓口を開くことです。また、北京センターを通じて、著作権関連法制度に関する情報交換等を独自に実施しています。
日本での著作権管理研修
私は中国の大学の日本語学科に進学し、卒業後は中国文学芸術界連合会国際部日本担当職員に就きました。そして日本音楽著作権協会と桐原書店で著作権管理を学ぶため2年間東京で研修しました。研修では、著作権違反をしている業者に対し、違反現場をつかみ、直接取締るといった緊張が走る体験もしました。1990年代初期、著作権という言葉は中国では無く、意味を知られていませんでした。中国にそうした法律も無かったので、日本での研修は大変勉強になりました。また、研修中は、日本人の同僚にいろいろと助けられて楽しく生活を送ることができました。
北京に日本音楽情報センター開設
1999年5月北京に日本音楽情報センターを設立しました。1枚3千円する日本人ポピュラー音楽(J-POP)のCDアルバムは、中国人の若者には手が届きませんでした。そのような中、J-POPを知り、楽しんでもらうために、J-POPを無料で聞けるスペースを作りました。センターはとても好評でした。イベントとして、数十名の日本人アーティストを迎えたりしました。2010年以降は、中国の飛躍的な経済発展により、中国人の若者も正規のJ-POPCDを購入できるようになったため、2012年3月に閉館しました。
今後の抱負は、中国人にもっと多くの日本のコンテンツを知ってもらい、多くの中国企業に日本のコンテンツのライセンスを購入していただきたいと願っています。現在、CODA北京センターは、私を含め4人の中国人職員で活動しています。私たちは、海賊版を取締まり、市場で正規の流通をするための使命を達成するべく日々努力しています。そして、日本のコンテンツ産業の発展ならびにアジア地域をはじめとする世界の知的財産権の保護に貢献できるよう尽力してまいります。
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