総合的医療を学ぶ
私は2007年から中日友好医院内視鏡センターで研修医をしています。中国に来てもうすぐ10年になります。北京で1年語学研修をし、北京大学医学部に入学したのは2004年9月です。中国の医学部に留学した理由ですが、高校の時に腰痛を患い、さまざまな治療をしましたが治らず、父の紹介の東洋医学診療所で整体治療にかえてみたら半年でほぼ完治してしまい、東洋医学の凄さに驚かされると共に魅了されました。
私の家系は医者なので、私自身も医者になることを希望していました。北京大学医学部に留学している知り合いを通して、カリキュラムを見せてもらう機会があり、西洋医学と中国医学の両方を学べる授業内容に、目が止まり惹かれました。中国の医学部は5年制ですが、2つの医学を同時に学ぶことができます。そこで、西洋医学と中国医学の総合的医療を学び、両方の医学を使いこなす診療ができる医者になろうと北京大学医学部に留学しました。
外科医を志し研修中
私が外科医を志した理由は、中日友好医院の消化器外科医の姚力医師に出会ったからです。姚力医師は「患者を救うための方法・手段は、自分の好き嫌い無く西洋医学、中国医学の両方を取り入れて治療するべきだ」というスタンスです。中国でも、中国医学を支持しない西洋医学の医師が多い中、姚力医師の「患者のためによる治療」という言葉に感銘を受け、姚力医師のような外科医になりたいと思いました。
病院では、私は全力を尽くして治療することを常に考え、中国人患者にも係わり合いの上では、国籍を意識していません。ガン告知等の複雑な問題に関しては、患者や家族関係、病棟での複合的な状況を配慮しています。
両国で外科研究をすることが夢
日中両国の医療制度の問題もありますが、今後、自分の手がけたい研究の機会が与えられる場所で働いていきたいと思います。両国に拠点を持ち、西洋医学と中国医学を共同的に研究ができる外科分野に進んでいければうれしいです。外科で総合的医療をすることを目標としています。
中国の医学部でも日本人留学生が増えています。実際には、言葉などの問題、サポート面で留学を支持してくれる人がいるかどうかという問題もありますが、国際化社会なので、広がりができるような若い人材が増えるのは良い事だと思います。日本のためになると同時に中国のためにもなるはずです。素晴らしいことだと思います。
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