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高吉喜委員:「生態レッドライン」制定者の夢

環境保護部南京環境科学研究所の高吉喜所長へのインタビュー

 

張雪=文

会議の開幕に先立って『人民中国』記者の取材に答える、第12期全国政協委員で、環境保護部南京環境科学研究所の高吉喜所長(石剛=写真)

「エコロジーに従事する人間は、自分の良心に背いてはいけないと、私はいつも自分に言い聞かせています。現在、中国の人口と経済発展のプレッシャーがこのように大きい状況のもとで、我々の仕事によって、中国のために生態レッドラインを制定し、中国が今後数十年の経済発展を経ても、子孫たちが美しい草原、美しい森林や湿地を目にすることができることを望んでいます」 

新たに選ばれた全国政治協商委員として、高吉喜氏の提案はすべて環境保護に関することである。中国共産党第18回全国代表大会(以下「十八大」と略)で「美しい中国」の建設という目標が掲げられたことは、彼を興奮させたばかりでなく、重い責任を感じさせることにもなった。

科学技術の進歩こそが環境保護の要 

「中国の経済発展の多くはいまだに土地と自然資源開発に依存したもので、本当の意味で科学技術の進歩に依存しているわけではありません」経済発展の自然資源への過度な依存が、環境保護に極めて大きなプレッシャーとなっている。ここに、環境保護問題は実質上、経済問題であることが見てとれる。例えば北京の大気汚染問題は、環境保護部門が単独で解決できるものではなく、経済発展や産業構造の調整などの方面から総合的に管理してようやく解決できるものなのだ。

「美しい中国」の責任は各人に 

「人間による環境破壊は環境保護の中でも重要な問題です。特に大都市では、生活による環境汚染の比重が日増しに高まっています。例えば節水、ゴミの分別などの方面で多くの改良すべき点があります」環境保護に関して、高吉喜氏は深い憂慮があるようだ。「北京を例にとると、北京は水に欠乏した都市であり、必要な水の大部分が他の省から運ばれているにもかかわらず、節水意識をもつ人はとても少ない。2002年以降、生活排水は工業排水の量をはるかに上回っています」と、彼は語る。

生態レッドラインを守り、子孫に青い空を残す 

「生態レッドライン」は「18億ムー(15ムーは1ヘクタール)の耕地のレッドライン」に続く、国の将来にかかわるもう一つの「生命線」である。生態文明が党の規約に書き入れられ、「十八大報告」には25カ所に「環境」、39カ所に「生態」という言葉が出てきている。早くも2011年に、中国は重要生態機能区、陸地と海洋の生態環境敏感区、脆弱区などの生態レッドライン制定を提出している。これは中国で初めて規範的文書で提出された「生態レッドライン」の概念である。 

「生態レッドライン」の制定は、高吉喜氏が現在、重要業務に据えているもので、このために彼は自らグループを率いて昼夜わかたず仕事を続けている。彼によると、2013年末までに、この課題を成し遂げる計画であるという。そのときには、生態レッドラインは法律により強制執行されるものとなる。どのようにこのレッドラインを守るのかが、今後さらに重要な課題となるだろう。

 

人民中国インターネット版 2013年3月3日

 

 
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