対談:李鳳斌・包頭師範学院政治法律学院院長(第11期全人代代表)、何峰・青海民族大学党委員会副書記兼学長
改革開放のたゆまぬ進展に伴い、全国両会(全国人民代表大会と全国政治協商会議)は中国人が家と国の命運に関心を寄せ、民主主義の熱意を発揚する大きな場、中国が経済・社会発展の成果を世界に示す「大舞台」となってきている。国内外のメディアから床屋談義まで、両会への関心は高まり続けている。会議に参加した目撃者であり、体験者である代表や委員らには身をもって理解している。
■日増しに開かれる「政治の窓」
李鳳斌氏:過去5年間の両会を体験した私は、国内外が注目するのはこの「政治の窓」がどんどん開かれており、中国政治の民主プロセスを十分に反映しているからだと考えている。
今でもはっきりと覚えているのは、2008年3月に朱雪芹氏、康厚明氏、胡小燕氏の出稼ぎ農民3人が出稼ぎ農民1億5000万人の期待を背負い、工場や工事現場から人民大会堂に足を踏み入れたことだ。最高国家権力機関が出稼ぎ農民の代表を受け入れるのは初めてだった。その2年後の第11期全人代第3回会議は時代の発展と進歩の要請に沿って、選挙法改正に関する決定を可決し、都市部と農村部で同じ人口比率の選挙を実施することを初めて打ち出した。今年の両会では第一線の労働者や農民の代表の割合が明らかに高まっている。これは中国式民主主義の新たな重大な進歩だ。
何峰氏:両会は毎年開かれているが、今年は特に関心が高い。第18回党大会の精神を全面的に貫徹実施するスタートの年である今年の両会では、次期国家機関指導者が選出される。中国の道はどう歩むのか?中国の夢はどう実現するのか?国内外は今回の両会への期待に満ちている。また、近年の両会では代表性、開放性、包容性が高まり続けている。基層出身の全人代代表の割合は前期より大幅に上昇しており、基層の訴えがより多く重視されるようになり、会議の「重み」も増した。
■日増しに重要になる「中国の答案」
李鳳斌氏:両会が世界に注目されるのは、われわれが見事な「中国の答案」を提出したからでもある。中国は世界経済の成長が力を欠く中でも安定した急速な成長の態勢を維持し、世界が世界金融危機からの脱却に努力する過程で「エンジン」の役割を果たした。中国の内政と外交を観察する窓、経済の趨勢を予測する風向計として、両会に世界の注目が集まり続けることは理解に難くない。
何峰氏:今年の両会は過去一定期間の改革と発展の総括であると同時に、小康(ややゆとりのある)社会の全面的完成への新たな長い道のりの「決起集会」でもある。現在わが国の直面する国内情勢、国際情勢はともに複雑であり、社会各界、国際世論は共にわが国の次の段階の政策の方向性を観察している。こうした情勢の下、中国政治・経済の風向計として両会により多くの注目が集まるのは自然なことだ。
■日増しに「民の声」に対応するように
李鳳斌氏:民衆が両会への関心を高めているのは、民生分野の切望にはっきりとした対応を得られるからだ。教育、医療、雇用、住宅価格、物価、食品の安全性、所得分配、環境保護……。両会では民生分野の関心がいたる所で取り上げられる。
何峰氏:過去数年間の政府活動報告を見ると、民生関連の内容がどんどん増えていることに気づく。社会保障、環境汚染、腐敗との闘いと清廉な政治の推進など社会全体が関心を寄せる問題がいずれも両会で報告され、対応が取られ、こうした分野の立法や進歩もしっかりと推し進められる。
李鳳斌氏:会議では民生問題が焦点となり、会議後には民生政策がしっかりと実行に移される。2008年に党と政府は低・中所得者の住宅問題に強い関心を寄せ、両会は低家賃の賃貸住宅や低・中所得世帯向け分譲住宅の建設を通じて都市の低所得層の住宅難を解決する必要性を打ち出した。この後、政府補助のある低・中所得世帯用住宅の建設が強化され始めた。こうした例は少なくない。まさにこうした実務的で現実を見つめる、人民本位の施政姿勢によって、両会はさらに「心の通い合う、見る価値のある」ものとなり、庶民の期待が高まるのだ。
「人民網日本語版」2013年3月4日
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