文・写真=王衆一
3月4日、全国政協初日のグループ討論会は非常に熱烈であった。全国政協委員で中国国際放送局(CRI)の局長である王庚年氏が、その発言の中で特に強調したのが、政治協商、民主監督、参政・政治議論を基本的任務とした政治協商会議が、中国の基本的政治制度の一つであり、それがどのように保障されるかが、一つの大きな課題になるということである。「基本制度である以上、欠いてはならないもので、あってもなくてもいいというものではありません。基本制度は必ず保証され、制度化されなければならず、さもなくばその保証は大幅に価値がさがってしまいます」
会議の合間に、王庚年委員は、どのように「中国の夢」を外国に紹介するかという記者の質問に答えた。
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王庚年委員 |
「中国の夢」という言葉を聞くと、王庚年委員は会議での発言のように、淀みなく語り始めた。「中国では今、未曾有の建設が進行中です。他国とは異なる道を歩んでおり、この道は中国の歴史、文化、そして現実に拠ったもので、他の国とは異なる選択です。30余年間の改革開放の実践が、この道が正しいであることを証明しています。われわれは30年という時間をかけて、発展過程の段階的目標を基本的に実現してきました。『十八大』では2020年までに小康社会を実現するという目標が打ち出されています。これこそが『中国の夢』への第一歩だと思っています。『中国の夢』への道は、つまり平和的発展です。この発展の道は中国にメリットをもたらすだけでなく、世界にチャンスをもたらします」
「中国の夢」というキーワードは、中国を世界に説明するために新たなリソースとなっているが、その難度も高くなっている。このことは、長年対外放送事業にたずさわってきた王庚年委員もよく分かっている。国際放送のメデイアとして、CRIの職責は、世界に正しく中国を理解させることであると彼は考えている。
「中国の製品、市場ニーズなどは世界各国に恵みをもたらしています。この点はますます多くの人が認識するようになりましたが、誤解も少なくありません。特に金融危機が発生して以来、一部の欧米メディアは中国について歪曲した報道を行い、マイナスな影響を与えました。だからこそわれわれ国際放送のメディアとして、誤解を正し、中国を正確に世界に紹介する必要があります」
ここ数年、国は国際放送局に対する投資を増やしており、放送手段も増え、影響力もアップした。放送言語は43種から63種に増え、視聴者を大幅に増やしている。現在、国際放送局はすでに自らの現代的総合伝播の道を歩み出しており、伝統的な単一メディアから多種メデイアへの発展があきらかな効果が現われ、活字メディア、ラジオ、テレビ、インターネットなどのマルチメディアが融合し、システム全体がある程度の規模を持ち始めている。
しかし、王庚年委員の緊迫感はこれによって軽減されたわけではない。「これではまだ足りません。伝播力が影響力を決めると言われるように、伝播力の要はコミュニケーション能力の増強と改善です。他人がわれわれを理解しないのは、往々にしてコミュニケーションが足りない、あるいは選んだ伝達方法が充分ではなかったからです。さらに視聴者の需要に応え、正確で効果的な伝播を追求しなければなりません」
確かにその通りである。話すことの難しさは聞く者の心を知ることにあると古人は言った。視聴者の需要に国際的な伝播手段で応えるために、文化を跨るメデイアはさらに大きな工夫が必要だということだろう。
王庚年委員は「中国の夢」に自分なりの解釈を行っている。彼はこの目標は何世代にもわたる中国人の夢だと考えている。その主旨は、われわれが自ら幸せな生活を送り、さらに全世界の人々と共に進歩し、幸せな生活を送るということにある。自分だけがよい生活を送るのではなく、みんなでよい生活を送る必要があるのである。
「われわれは災いを人になすり付けたりしないし、他人の言いなりにもならない。一部外国の政治家は、あなたたちはわれわれと同じように働らけても、同じようには暮らせないと言いますが、それは受け入れられません」
王庚年委員は今後の使命について、「中国の夢」を中心理念として外国の視聴者に受け入れられる方法で効果的な放送を行うことにあると考えている。外国の視聴者に、中国が平和的発展の道を歩み、調和のとれた世界を建設しようとしていることを分かってもらわなければならない。中国の発展は必ず人類に恵みをもたらし、中国の夢とは人類文明の成果であり、中国人民の世界に対する偉大なる貢献であると彼は堅く信じている。
人民中国インターネット版 2013年3月5日
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