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中国の国防費が10.7%増加 「穴埋め的」から「協調的」へ

 

第12期全人代第1回会議で審議される2013年度中央・地方予算草案の報告によると、中央財政の国防予算は7201億6800万元で、前年比10.7%増加した。「新華網」が伝えた。

「長年続いた穴埋め的増加を経て、わが国の国防費は経済発展と足並みを揃えた協調的増加の段階へと徐々に向かっている」。全人代代表を務める陳舟・軍事科学院研究員は5日、新華社の取材にこう述べた。

中国の国防予算は2012年は11.2%増、2011年は12.7%増と、二桁の伸びを3年間維持した。

今年新たに増加する国防費には主に4方面の用途がある。

 (1)国防・軍建設の科学的発展の促進、戦力形成モデルの転換の加速という必要性に適応し、ハイテク武器・装備およびその関連施設の建設への拠出を適度に増やす。

 (2)兵站インフラの整備を推進し、将兵の任務・生活環境を改善する。

 (3)国の経済・社会発展の状況に適応し、物価上昇の影響を緩和し、部隊の維持費を適切に調整する。

 (4)テロ対策・治安維持、災害救援など非戦争軍事行動能力の整備を推進し、安全保障上の様々な脅威への対応能力、多用な軍事任務の達成能力を高める。

習近平・中共中央総書記(中共中央軍事委員会主席)は昨年末に広州戦区を視察した際「戦争を遂行し、勝利を収められることが強軍の要だ」と強調した。

全国政協委員を務める尹卓・海軍情報化専門化諮問委員会主任は「国防費の適度な増加は、人民解放軍がこの建設目標を実現するうえでのより良い支えとなる」と指摘。「わが軍は機械化と情報化という2つの歴史的任務の完成に拍車をかける段階にある。まさに国防建設への拠出を強化する必要のある要の時期だ」「軍事費の適度な増加を維持して初めて、戦闘能力の持続的向上を保障することができる」と述べた。

第18回党大会報告は「中国の国際的地位や国家の安全と発展上の利益に見合った国防の強化と軍の強大化は、中国の現代化における戦略任務である。国防と軍の現代化の『3段階』戦略構想に従い、2020年までに軍の機械化を基本的に実現し、情報化において重大な進展を遂げなければならない」と指摘した。

尹氏は「情報化された軍の建設に要するコストは、伝統的な軍の建設とは比べ物にならない。武器・装備は情報化の水準が高まるほど、購入、使用、維持のコストも高くなる。これは世界各国の軍建設における法則だ」と指摘。

さらに「軍の戦力を高めるには第1に武器・装備、第2に人だ」「情報化戦争という環境の下、部隊は質の高い新しいタイプの軍事人材を数多く必要とする。一定の福利待遇がなければ、こうした人材を引きつけ、留めることは難しい」と述べた。

ここ数年の任務・生活環境の改善について、全人代代表を務める王海竜・済南軍区某歩兵旅団通信中隊指導員は「部隊は人間本位の建軍理念を貫徹しており、今では将兵は新しい軍服を着、バイキング形式の食事をし、新しい兵舎に住むことができるようになった。軍営の団結力は高まり続けている」と感慨深げに述べた。

毎年中国が国防予算を公表するたびに国際世論は注目する。外国の一部メディアは中国の国防政策と軍事戦略の意図を曲解し、これを基に「中国軍事脅威論」を煽るものすらある。

中国は13億の人口、960万平方キロメートルの領土、300万平方キロメートルの管轄海域を擁する。

「国家の安全を守り、地域の平和と安定を維持するために、中国は必然的に国防力建設を強化する必要がある」と尹氏は指摘した。

中国が担う国際的義務は近年非常に増えてきている。アデン湾とソマリア沖での護送はすでに常態化し、他にも国際的な人道支援活動を積極的に繰り広げている。

「海外での任務遂行に必要な経費は国内の数倍であり、数十倍に達することさえある」と尹氏は指摘。「中国が国防費を適度に増加し、国防力を高めることは、自国の平和にとっての力強い保障であり、世界の平和に対する重要な貢献でもある」と述べた。

国防費の対GDP比、国民1人当たり国防費、軍人1人当たり国防費から見ると、中国は国際的に比較して国防費が少ない国だ。中国の国防費の対GDP比は近年ずっと1.6%前後を維持しているが、米国は4%を超え、英国とフランスも3%を超えている。

中国政府は予算法と国防法に基づき、国防費について厳格な予算配分制度を実行しており、毎年国防予算は国の予算案に組み込まれ、全人代が審査・承認し、規定の手続きに従い各レベルの機関が執行し、かつ国と軍の会計検査機関の監督を受けている。

中国政府は1998年以降毎年国防白書を発表し、国防費の規模と用途について詳しく説明している。また、2007年に国連軍事費支出報告制度に正式に参加し、以来毎年国連に軍事費支出を報告している。中国の国防費は公開された、透明なものだ。

 

「人民網日本語版」2013年3月6日

 

 
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