中国の第12期全国政治協商会議(政協)第1回会議が3日に始まったのに並行して、5日に第12期全国人民代表大会((全人代、日本の国会に相当)第1回会議(両会議を合わせて「両会」と呼ぶ)も開幕した。両会では、環境問題の悪化が中国人の健康に及ぼす影響に関して、全人代代表として2回目の参加となる中華医学会会長の鐘南山氏(76)が「国民総生産(GDP)と健康、どちらが最も大切か。真剣にこの問題を考慮しなければならない時となっている」と警笛を鳴らした。新華網が報じた。
鐘氏は、「以前は、環境問題はまだ先の話で、配慮を加えればそれでいいと考えられていたが、今は配慮などという悠長な問題ではなくなっている。国民の基本的な生活要素が脅かされており、環境問題は危機的な問題となっている」と指摘した。
鐘氏は、2002年に広東省で新型肺炎(SARS)が流行した際、「病院は戦場。戦士である我々が行かなくて、誰が行くのか」と医療関係者を激励し、自らも最前線で治療に当たったことで、一躍有名になった。
一方、最近中国で深刻化している大気汚染に関して、鐘氏は、「非常に重視すべき問題。このままの状態では、数年後にガン患者が激増するだろう。その時になってから行動してもおそすぎる」と緊急を要する問題であることを指摘した。
高齢ながら精力に満ち、明晰な思考力を保つ鐘氏は、メディアに取り囲まれも、1つ1つ質問に答える。
「人民網日本語版」2013年3月6日
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