遼寧代表団の馮玉萍代表は、瀋陽評劇院副院長、国家一級俳優であるだけでなく、さらに評劇(華北や東北地方の地方劇)花派の無形文化遺産継承者である。今回彼女が携えてきた議案は、すべて文化伝承に関わるものだ。
「無形文化遺産は一種の文化ブランドです。これは地方の文化産業へ人々を引き付け、文化を深めるのに効果的です。しかし、盲目的な商業開発は、多くの異化、歪曲、さらには無形文化遺産の変質を招きかねません」
馮代表は、商業開発とは諸刃の剣で、一方で無形文化遺産に新たな活力を与え、知名度や影響力を高め、社会に民族的文化遺産を伝承させてゆくことを促進するものだ。しかしもう一方で、一部の地方では、無形文化遺産を看板に仕立てて商業投資を引き寄せ、文化産業を発展させており、こうした盲目的でむやみな商業開発は、無形文化遺産の内容と価値をねじまげてしまう。このため彼女は、無形文化遺産法の条項を増やし、商業化が無形文化遺産に与える損害を避けようと提案している。
このほか馮代表は、無形文化遺産を学校の中に根付かせようと提案している。これに関係する専攻やカリキュラムを設け、さらに多くの若者に接触・理解してもらい、伝統文化を現代という土壌の中に根付かせようというのである。
個人的な夢について、馮代表は、「温総理は『文化が中華民族の血脈で、中華民族の心の家である』とおっしゃいました。国がますます文化を重視し、文化の地位がますます突出してゆくことを示しています。私は文化産業従事者として、得がたいチャンスに巡り合わせたと感じています。私は人々にさらによい心の糧をもたらし、みなが経済上だけでなく、心の上でも豊かになるよう、努力したいと思います」