福島第1原発の放射能漏れ事故から11日で丸2年を迎えた。全国人民代表大会(全人代)代表を務める中国核工業集団公司の孫勤董事長(会長)は「福島原発事故の影響を受け、過去2年間は世界原発事業が調整期に入ったが、その間も中国は事故から教訓を汲み取り、準備を怠ってはいない」とし、「原子力エネルギーを世界エネルギー供給体系の重要な構成部分とする流れに根本的な変化が生じていない前提下、中国は第3世代原子炉ACP1000模範プロジェクトの建設を早急に開始し、世界原発市場の開拓に向け条件を創出するべきだ」と指摘した。科技日報が伝えた。
孫董事長は、「中国が現在導入している原子炉のほとんどは海外技術のコピーであり、一部の設計内容については知らされていない。他国は技術改良を続けているが、中国はいつもこれに追随するばかりで、さらには他国に抑制されている。中国の原子炉は2030年に100基に達する可能性があるが、原発大国であるからといって原発強国だとは限らない。原発強国の最も重要なシンボルは、100%の知的財産権を持つ原子炉を輸出し、世界で認められることだ」と語った。
中国核動力研究設計院の羅◆院長は、「中国核工業集団公司が独自に研究開発したACP1000は、中国が唯一100%の知的財産権を持つ原子炉だ。同原子炉は現在までに初歩的な設計を完了し、初歩安全分析報告を提出する条件を整え、世界原発市場の開拓に向けて前提徐件を創造した。中国は原発全産業チェーンのサービス能力をつけており、韓国などの国よりも輸出面で優勢を占めている。原発事業発展を計画している多くの国家は、中国の百万kW級原子炉の導入に向け強い意向を示している」と述べた。
福島原発事故の発生当時、中国は浙江省三門県と山東省海陽市で4基のAP1000原子炉の建設を開始していた。しかし福島原発事故を受け、中国は原発の新規建設を一時停止し、建設中のプロジェクトの工期にも一定の影響が生じた。昨年の両会(全国人民代表大会・全国政治協商会議)開催の前後になり、原発プロジェクトの審査が再スタートした。山東省石島湾原発の着工は、原発事業回復の重要なシグナルだ。
中国核電工程公司の劉巍総経理は、「『能動・受動融合型』を特徴とする ACP1000は、既存技術よりも安全性が高く、その耐震性と事故発生時の緊急対応能力が強化された」と説明した。
*◆は王へんに奇
「人民網日本語版」2013年3月12日
|