文・写真=段非平
今回の「両会」では、農民の都市出稼ぎ労働者の代表の割合が明らかに上昇し、一回目の3人から31人にまで増えており、内蒙古自治区代表団の薛志国代表もその一人である。
「私は自分が出稼ぎ労働者として全人代代表に選ばれ、北京で『両会』に参加できるとは思ってもみませんでした」当選したばかりの時、薛代表は全人代代表をものすごく名誉あることだと考えていた。しかし、会の直前に北京に来て、都市にやってきた労働者たちの状況を知ろうと職業紹介所にゆくなり、人々に取り囲まれ、彼らの訴えに耳を傾けた時、彼はこの身分がさらに責任を意味しているということを悟った。
この職責を果たし、出稼ぎ労働者のよき代弁者となるために、薛代表は、代表の果たすべき責任や義務、経路や方法について真剣に学び、さらに多くの出稼ぎ労働者とおしゃべりして、皆の生活状況を把握し、彼らの抱える問題についての意見や提案を考えている。「個人の力はほんのわずかなものですが、農民出稼ぎ労働者の心の声を必ず人民大会堂まで届けます」
「出稼ぎ労働者が直面する問題も、ここ二年の間に変化しています。今までは、出稼ぎ労働者の権利保護が注目されており、彼らの生活や仕事条件の改善が目指されていましたが、今ではこういった方面について訴える人はおらず、社会保険や子女の入学などの新たな社会問題が生まれています」
現在、出稼ぎ労働者の子女が受けている義務教育は、都市の同じ年齢の子どもたちと比べるものになれず、出稼ぎ労働者子女の学校は一般的に教育条件が悪く、教師の学歴レベルも低く、教員陣が不安定であるという問題を抱えており、よい学校はしばしば成績の優れた生徒しか採らず、農民出稼ぎ労働者の子女はほとんど通学できない。
薛代表がこのたびの提案は、教育の公平に関係するものである。「私は一方で都市の学校が、出稼ぎ労働者子女のために門戸を開くことを奨励し、また一方では、なるべく早く公平・合理的な出稼ぎ労働者子女に向けての義務教育制度を打ちたて、根本から出稼ぎ労働者子女の就学難を解決すべきだと思います。出稼ぎ労働者の子女たちをスタート地点から立ち遅れさせてはなりません」
人民中国インターネット版 2013年3月13日
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