文・写真=段非平
「消費者が自由市場で肉製品を買う時、ふつう、ブタ肉に検疫検査合格印が押してあるかどうかだけを気にかけ、このブタがどこから来たのか、どんな飼料を食べて育ったのか、あまり知ることはありません。問題が発生した時には、その原因がどこにあったのかを探り当てることは非常に難しくなっています。だから、私はなるべく早く健全な農産物の品質安全と食品安全トレースシステムをつくり上げ、われわれの農産物にも「身分証明書」をつけることを提案しました」
江西代表団の正邦集団理事長林印孫代表が、今回の「両会」で注目する話題は、食品安全に関するものである。「今までずっと、わが国の農産物と副産物の生産は比較的分散しており、産業化と標準化の程度も低く、そこに食品安全トレースシステムをつくる難しさがありました。そのため、農業の産業化をリードする企業を打ち立てる必要があるのです。一方で農民の農産物と副産物の生産と販売を助けるための組織をつくり、もう一方で源から農産物と食品安全をコントロールし、完全な食品安全の生産供給チェーンを作りあげます。養豚を例にとると、ブタの繁殖から飼料、疫病予防、屠殺、切り分け、冷蔵運輸、そして最後は端末の市場まで、どの部分もしっかりとコントロールし、ブタが切り分けられても、作業員がその肉塊ごとにバーコードを貼ります。このバーコードこそが、ブタ肉の「身分証明書」で、消費者がブタ肉を買った後、この「身分証明書」を調査することで、ブタの飼育から屠殺、販売業者に至るまでの関係情報を知ることができ、こうしたトレースの実現によって、人々が安心して安全なブタ肉を食べることができるのです」
「『民は食を以て天と為す』と言います。しかし現在、われわれの食品に対する疑惑や憂慮は、ますます大きくなっています。食べるものでさえ安心できないのなら、どうして幸福感などを語れるでしょうか。国が食品安全の面で多くの政策を打ち出し、人々にこれ以上食べ物に関する心配を与えず、ごちそうを楽しんでもらいたいと私は思っています」
人民中国インターネット版 2013年3月14日
|