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周明偉委員:中日関係における民間外交の役割を再び果たすべき

 

文=北京週報誌記者 于林濤

全国政協委員、中国人民対外友好協会常務理事、中国外文局局長の周明偉氏(石剛 撮影)
アジアの隣国であり地域内最大の2つの経済体である中日両国の関係は極めて重要だ。今、中日関係は日本のいわゆる釣魚島「国有化」が引き起こした危機のために冷え切っている。両国関係の苦境について、全国政協委員で中国人民対外友好協会常務理事、中国外文局局長の周明偉氏は本誌記者の取材を受けた際、「中日関係における民間外交のプラスの役割を再び発揮すべきだ」との考えを示した。

周明偉委員は、「民間外交は中日関係において特徴的なもので、非常に重要な役割を果たしてきた。我が国と他の周辺国、特に大国との関係とも別のものだ」との観点を示した。

周委員は、「戦争が終結し中日関係が最も困難だった時期、そして中日国交正常化の過程で、両国の民間外交はずっと特別な役割を果たしてきた」と指摘する。民間外交が特別な役割を果たしたことで、戦後に相互関係が緊張していた状況であっても、中日両国の間に経済往来を含む民間往来を推進する強い力が存在した。そして最終的に、中日国交正常化のためにしっかりした民間の基礎が築かれた。

周委員はこう話す。「中日の民間外交は特殊なものだ。他国との間の民間外交とは形式的にも内容的にも異なっている。中日間関係は戦争で極めて大きく損なわれた。特に戦時中、日本の軍国主義が中華民族と中国人民に対して甚大な犯罪行為を行いひどく傷つけたため、当時は両国関係の修復は難しいと思われた。しかし、中日民間交流の数千年の歴史から見てみると、まさにこの期間に、中日の民間外交は両国関係を修復する役割を果たしたのだ」。

周委員はまた次のように語った。「中日は隣国どうしであり、この地理的条件によって、日本は中国との関係をうまく処理しなければならないことが決定づけられている。中国も同様だ。日本との関係をうまく処理することは、中国の平和友好環境全般、特に周辺環境の安全と協力にとってプラスになる。歴史的に見てみると、中日の民間交流協力はずっと特別かつ重要で他に替えられない役割を果たしてきた。その状況は今も同じだ」。

周委員は本誌記者に、「現在の両国関係の苦境は、完全に日本側が引き起こしたものだ」と語った。それは、日本が中日国交樹立時に双方の指導者が釣魚島問題について達した共通認識に背き、戦後の中日関係正常化後に行われた「中日両国の人民は平和と経済発展協力という大局に目を向ける」という正しい決定に背いたからだ。

周委員はさらに、「日本国内の保守勢力と過激派が中日友好の大局に背き、第2次世界大戦後に国際社会が戦争に対して出した結論を否定したため、島をめぐる争いが引き起こされた。この事件は中日国交正常化後の中日関係を最も損なった出来事となった」と指摘した。

周委員は次のように考えている。「両国関係が安定するかどうかは、両国国民間の関係によって決まるところが大きい。両国国民の関係が良ければ、両国友好関係の基礎もしっかりしたものになる。今回の釣魚島事件は、外交関係と経済貿易関係だけでなく、両国の国民間関係まで損ねてしまった。とは言え、我々は依然として中日国交正常化以来最も困難な時期に民間友好がその力を発揮することを望んでいる。民間の友好によって双方の相互信頼が高まり、互いを認め合い、中日関係の大局をしっかりと守り、中日間平和友好の両国にとっての重要な責任、地域に対する重要な責任、そして国際社会に対する重要な責任をしっかりと守っていく。民間交流の力を発揮することで問題の根を正し、新たな時代に(非常に困難な時期ではあるが)、新たな発展の機会を共に作り出していく。その機会はまだある。中日両国の民間交流の基礎はまだ存在し、開拓の余地はまだ多く、双方のニーズと積極性はまだあると思う」。

釣魚島危機の後、鳩山由紀夫元首相や村山富市元首相らがそれぞれ民間交流の形で訪中し、冷え切った両国関係の修復を試み、中国側もこれに対し積極的な反応をした。周委員は、「中日関係が苦境にある時期の日本の元トップ訪中は、その理由いかんにかかわらずプラスに働く」との見解を示した。

周委員によると、釣魚島危機の後、中国側も中日民間交流面でたゆまぬ努力をしている。こうした努力は訪問のような目に見える形のものもあれば、その他の形で行われる目に見えないものもある。

周委員は次の点を強調した。「中日関係の大局、中日民間交流の重要性を強調しておきたい。両国の有識者にこの点を認識してもらいたい。中日関係、地域政治、そして共通の平和発展プロセスにおいて、釣魚島というこんな小さな島がいったいどれだけの影響を及ぼせるのか?有識者は、この歴史が残した問題が中日関係の大局を損なうのを阻止しなければならない」。

 

「北京週報日本語版」2013年3月15日

 

 
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