3月17日、第12期全国人民代表大会(全人代)第1回会議が閉幕し、国務院新総理の李克強氏が、人民大会堂の3階にある金色ホールで記者会見を開き、国内外の記者の質問に答えた。

人民日報記者：新しい政府が直面している課題は多いが、今後の施政方針はどのようなものか。また、最初に解決したいと考えている主要問題は何か。

李総理：施政方針については、中国共産党第18回党大会で既に全面的な方針が掲げられており、それに基づいて取り組んでいく考えである。現代化への道程のゴールが近づけば近づくほど、直面するリスクと難題は増える。

中国のような大国が解決しなければならない問題は多いが、主要問題で言えば、第一はやはり、経済発展の維持である。今後の中国の経済環境は依然として厳しいものになると見られる。安定していても、常にリスクや困難を想定しておく必要があり、衝撃や変化に直面しても動揺せず、経済の持続的な成長を保ち、インフレを防止し、潜在的なリスクをコントロールし、中国経済に大きな変動が起きることを避ける必要がある。

2020年をめどとした目標の達成に努める必要がある。そのためには年間7%の成長率を実現しなければならず、容易なことではない。

しかし、我々には巨大な内需という有利な条件がある。経済のモデルチェンジを促進し、改革の恩恵、内需の潜在力、イノベーションのエネルギーを全て結集することで、新たな原動力を形成し、更には質と収益性、雇用と所得、環境保護と資源の節約をより一層向上させ、レベルアップした中国経済の体制を構築することを目指す。

第二に国民生活を絶えず改善することである。都市部と農村部住民の生活水準の向上に努め、特に低所得者層の所得を引き上げ、中所得者層を引き続き拡大する。

第三に、公正な社会の実現を推進することである。公正さは社会のイノベーションの活力の源であり、人々の満足度を引き上げるよりどころでもある。社会の公正さを守るのは政府の役目である。

全ての人々に平等な機会を保証し、都市や農村、家庭環境に左右されず、個人の努力に応じた見返りを得ることができる社会、また、利益を生み出すのが、国有企業や民営企業、個人経営者に関わらず、公平な競争を信じて誠実に取り組めば、然るべき収益を得ることができる社会を目指す。

以上述べた三つの問題の解決は、三つの任務の実現とも言える。その実現のためには、三つの保証が必要である。まずは革新的な政府をつくり、改革・開放によって、活力あふれる経済社会を実現すること。次に、清廉潔白な政府をつくり、政府の信頼、行政力、効率を強化する。最後に、法治政府をつくることである。法律を神聖な位置に据え、何人たりとも、どんなことであっても、法的権限を越えてはならない。法治によって現代的な経済、現代的な社会、現代的な政府を建設する必要がある。

この三つの任務の実現を推進するには、多大な努力が必要となる。前任の温家宝総理と他の前任者らが既に素晴らしい基盤を築いてくれた。彼らに心からの敬意を表する。我々は、習近平同志を総書記とする中国共産党中央委員会の指導の下、13億人の勤労と知恵によって、成功に向かって突き進み、民族復興の実現、現代化の実現を目指す。

「中国網日本語版（チャイナネット）」2013年3月17日