中日両国民、世論調査で関係改善に自信を示す

 

第11回北京−東京フォーラム「中日関係世論調査」の結果が、10月22日に北京市で発表された。

中国外文局と日本の言論NPOが実施した、第11回北京−東京フォーラム「中日関係世論調査」の結果が、10月22日に北京市で発表された。調査結果を見ると、両国の回答者間の好感度は昨年と同じく低く、領土や歴史などの敏感な問題で食い違いがある。しかし両国関係に対する全体的な観点には積極的な変化があった。両国では、平和と協力の発展理念を持つ人が大半を占め、両国の平和的交流と共同発展を求める声が主流になっており、両国関係の安定的な改善の民意の基礎を固めている。

(一)両国の回答者のうち、中日関係は「重要」と回答した人の比率が上昇した。中国の回答者のうち、中日関係は「重要」(「やや重要」を含む、以下同様)とした人は昨年の65%から70.1%に上昇した。上昇は5年ぶり。日本の回答者のうち、中日関係は「重要」とした人も、昨年の70.6%から74.4%に上昇した。

(二)両国の回答者の、中日関係の改善に対する自信が深まった。中国の回答者のうち、今後の中日関係の発展について「良くなる」と回答した人の比率は上昇しなかったが、「悪くなる」(「やや悪くなる」を含む、以下同様)とした人は昨年の49.8%から41.1%に低下した。日本の回答者のうち、「悪くなる」とした人は昨年の36.8%から24.7%に低下し、「良くなる」とした人は昨年の8.0%から12.7%に上昇した。

(三)両国の回答者の、相手国に対する印象がやや改善された。中国の回答者のうち、日本の「印象は悪い」(「やや悪い」を含む、以下同様)とした人は、昨年の86.8%から78.3%に低下した。日本の「印象は良い」、「印象はやや良い」とした人は21.4%に達し、昨年の11.3%から10ポイント上昇した。日本の回答者のうち、中国の「印象は悪い」とした人は、昨年の93%からやや改善され88.8%になった。

(四)両国の民間交流の意欲が高まった。中国の回答者のうち、日本に「行きたい」とした人は昨年の22.5%から35.7%に上昇し、「行きたくない」は72.6%から63.2%に低下した。日本の回答者のうち、中国に「行きたい」とした人は昨年の29.6%から32.9%に上昇し、「行きたくない」は70.4%から67%に低下した。中国の回答者のうち76.9%は、民間交流は中日関係の改善と発展にとって「重要」(「やや重要」を含む、以下同様)とし、昨年の63.4%から13ポイントも上昇した。日本の回答者のうち67.1%(昨年は64.4%)も、これを「重要」とした。両国の回答者のうち、「観光」の協力を強化すべきとした人の比率は、いずれも大幅に上昇した。中国は8.3%から17%に、日本は18.5%から29.3%に上昇。

(五)中日の平和と友好、地域協力に関する観点に好転が見られた。中国の回答者のうち、中日の地域協力を「支持する」(「やや支持する」を含む)とした人は、昨年の52.2%から54.3%に上昇した。日本の回答者のうち、中日が平和的交流し共同発展することを願うとした人は、昨年の54.6%から58%に上昇した。また「平和」と「協力・発展」は、両国の回答者が共に重視する地域協力の価値観となった。中国の回答者の59.6%、日本の回答者の72%は、「平和」を最も重要な価値観とした。「平和」に続いたのは「協力・発展」で、中国の回答者の39.6%、日本の回答者の41.6%がこれを重視した。

(六)領土や歴史などの敏感な問題が、依然として際立っている。両国の回答者は「両国関係の発展を阻害する主な問題」について、「領土問題」を最も強く懸念した。中国の回答者の66.4%、日本の回答者の56%が同問題を挙げた。日本の回答者のうち昨年2位だった「歴史問題」は、今年になり「中日政府の政治的相互信頼の不足」に変わった。安倍晋三首相が8月14日に発表した「戦後70年談話」について、中国の回答者の74.1%は「不満」(「やや不満」、「まったく満足できない」を含む)とした。日本の首相による靖国参拝について、中国の回答者の60.2%は「どのような立場であれ、参拝すべきではない」とした。

今回の調査は2015年8月下旬から9月末にかけて、中日両国で同時に実施された。中国では北京市、上海市、成都市、瀋陽市、西安市、広州市、武漢市、南京市、青島市、鄭州市の10都市・1570人の住民、及び400人の識者が調査対象となった。中国側の世論調査・識者調査は、零点研究諮問集団が担当。日本では1000人の市民と628人の識者がアンケート調査に回答。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年10月22日

 

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