「新常態」での中国経済に強力な成長エンジン
中国人民銀行(中央銀行)の易綱副総裁は、中国の国内総生産(GDP)はすでに年間10兆米ドルを超える規模となっているため、中国経済には大きな関心が寄せられていると述べた。過去10年における世界の経済成長への中国の寄与度はおおよそ3分の1前後にのぼる。中国経済はいま「新常態」に入っているとし、次のような特徴を指摘した。
(1)中国経済は消費が原動力となる。内需で消費が経済成長に果たす役割が最大となる可能性が高い。
(2)基幹産業は、製造業からサービス業へ徐々にシフト。
(3)中国は省エネ環境保護を一段と重視。最大の発展途上国として、気候変動、環境保護、省エネ・排出削減などの方面で努力する。
(4)中国は「新常態」で、社会保障を重視し、高齢者介護、医療、生活保護、障害者支援など、より強固な社会のセーフティネットを整備する。
(5)新たな成長エンジンの創出。投資と資源の消費に依存した既存モデルから、人的資源の創造を重視したモデルに転換。「大衆創業、万衆創新」の社会的機運醸成。
易綱副総裁は、全体的に見て、中国経済は当面の間、中高速の成長を維持する見込みだとし、GDP成長率は7%前後または6%台を確保できると自信を示した。この判断の根拠として、2つの極めて重要な内的成長エンジンの存在を挙げた。
第1のエンジンは、新型の都市化。中国の都市化率は人口全体の55%前後で、戸籍人口で見ればさらに低い比率となる。1年1%のスピードで都市化が進むとすれば、55%から70%になるには10年以上かかり、これが中国経済に新たな成長エンジンをもたらす。
第2の非常に強力な成長エンジンは、改革開放、権限委譲と簡素化。生産力の解放と向上につながり、社会と経済全体の生産効率を大きく向上させることになる。
上記の2点からみて、今後の中国の経済成長は確実だと強調した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年10月25日
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