中国の金融市場改革、日本の経験と教訓を参考に

 

日本央行副行長中曾宏。 馬瀟漪攝

24日に北京市で開幕した「第11回北京-東京フォーラム」で日銀の中曽宏副総裁は、戦後の日本経済について次のように振り返った。

日本経済は1960年代以降の高度経済成長を経て、すでに低成長に転じており、成熟に向かっている。日本経済はこの過程で経済のグローバル化、人口構成の変化、大規模な金融危機などに直面した。ただ非常に残念なことに、日本がこの構造転換について有効な対抗措置を打てなかったことも、現在の日本の経済成長率が低迷している一因だと指摘した。

中曽副総裁は、日本の経済成長率低迷には3つの主因があると分析した。第1に、少子高齢化による労働力人口の減少。第2に、企業の内部留保の拡大、すなわち設備投資の回避。第3に、イノベーションの停滞による生産力の低下、を指摘。日本政府はこの問題を認識し、企業投資の促進、女性と高齢者が積極的に参加できる社会の建設促進、海外からの人材受け入れ政策など、一連の措置を講じている。

日本経済の過去を振り返れば、経済と社会の構造転換にどのように対処するかが非常に重要であることがわかる。現在「新常態」にシフトしつつある中国にとって、日本の教訓は非常に重要なものとなる。中国が金融市場での改革を進めるにあたり、日本の経験と教訓が参考になり得ると指摘。日本が採ってきた措置は必ずしも最良とは言えないが、豊富な経験が蓄積されている。

中曽副総裁はこれらを踏まえ、下記の様に3つの提案を行った。

(1)統計情報と市場の枠組みの透明性向上と、それに伴う関係者の市場に対する先見性の向上を図る。

(2)中日両国の交流メカニズムの構築。たとえば、両国の中央銀行による相互交流のルート構築を検討し、相互理解を深め、相互作用を高める。

(3)この夏、中国発の予想外の金融市場の変動が世界の株式市場に波及。中国と世界の株式市場は直接的な連動は限られているが、世界の金融市場全体に大きな影響を与えた。これについて、我々は様々なリスクを可能な限り回避できるようセーフティーネットをあらかじめ整備すべきで、必要なときは政府も介入し監督することが必要だ。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年10月25日

 

 

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