第12回「東京-北京フォーラム」が開幕テーマは「アジアや世界の平和と発展に向けた中日協力」

 

9月27日、中国国際出版集団と日本の言論NPOが共同主催する第12回「東京-北京フォーラム」が東京で開幕した。

 

今回のフォーラムのメーンテーマは「アジアや世界の平和と発展に向けた中日協力」。中日両国の政界、経済界、実業界、学術界、マスコミ界から600人余りの来賓が参加し、二国間の政治と外交、経済・貿易、メディア・文化、安全保障、人的交流(特別分科会)の五つの分科会で、東アジアの平和・安定の秩序の構築と中日両国の役割、経済改革の新局面と中日協力、国民感情改善と中日メディア協力、対立と危機の管理・制御および安全協力の強化、人的および地方の交流でいかに両国関係に新たな活力を注ぎ込むかなどの分野の重要なテーマを取り上げ議論を展開する。

 

開幕式には中日友好協会の唐家璇会長、国務院新聞弁公室の蒋建国主任、程永華駐日本中国大使、日本の岸田文雄外相、福田康夫元総理が出席し、基調講演とあいさつを行った。

 

唐会長は講演の中で、今回のフォーラムのメーンテーマが両国関係の現状とその対外的影響に符合しており、深い意味合いに富んでいると高く評価した。また、次のように指摘した。中日両国は二つの大国として、世界の平和と発展を擁護する、より大きな責任を担っており、国際社会と地域国家のより高い期待を背負っている。両国関係の変化の影響はもはや二国間の枠を超えており、地域と国際社会に異なった程度で波及し、両国各界はみなこれに対し憂慮と緊迫感を強めるべきである。

 

現在の中日関係をいかに発展させるべきかについて、唐会長は次の3点の意見を示した。まず、中日関係は共通認識を順守し、政治的な基礎を擁護しなければならない。中日の四つの政治文書は両国関係発展の「バラスト」であり、2014年末に双方が合意した四つの原則的共通認識は両国関係改善の安全弁であり、古い問題をしっかりと管理し、新たな問題の発生を防止し、両国関係の政治的基礎が揺るがぬよう確保しなければならない。

 

正しく認知し、良い相互作用を形成しなければならない。中日の四つ目の政治文書にある「互いに協力のパートナーであり、互いに脅威とならない」という態度を政策に反映させ、行動に移すことだ。

 

伝統を継承し、友好の理念を発揚しなければならない。唐会長は、時代の発展に適応し、友好に新たな内容を加え、新たな生命力を与えること、そのプロセスで双方が「相互援助、相互信頼、相互理解、相互参考」に努力すべきであると強調した。

 

さらに唐会長は次のように提案した。双方は第一に、歴史的な根源を正視し、現在の中日関係の発展の成果を大切にし、より素晴らしい未来を切り開くべきである。第二に、海洋の平和を維持し、海域を双方が協力する試験田とし、衝突し対抗する格闘場にしてはならない。第三に、互恵協力を開拓・発展させ、共同利益の支点を拡大し、他国のために模範的な効果を示さなければならない。第四に、国民交流を拡大し、より多くの民衆が中日関係に関心を持ち支持するように導き、中日関係の改善のために社会的基礎をしっかりと固めなければならない。

 

蒋主任はあいさつの中で、まず「北京-東京フォーラム」の歩みはすでに12年を数え、中日各界人士の友好を増進し、両国人民の距離を近づけ、中日関係の発展促進に、積極的に寄与してきたと高く評価した。

 

そして、中日関係改善のためには、中日双方は第一に必ず全体的な動向を的確に把握し、全体的な方向を堅持しなければならず、第二に不断に責任感を強め、危機感を持たなければならず、第三に必ずプラス面を拡大し、マイナス面を抑制するよう努力しなければならず、第四に古い問題をしっかり管理し、新たな問題の発生を防止しなければならないとの考えを明らかにした。

 

また、中日両国関係の素晴らしい未来を築くために、以下の提案を行った。中日双方がシンクタンクの研究という「頭」を動かし、中日関係の難題に向き合い、双方が過去を認識し、現在を把握し、未来を思考するために新たな思想と見解を提供する。メディアの広く伝える「口」をしっかり活用し、正しく中日関係発展の主流と方向を把握し、双方共通の関心と重要なテーマに焦点を合わせ、客観的、公正に報道を行い、理性的な声を多く伝える。企業協力という「足」を踏み出し、情報技術、省エネ・環境保護、バイオテクノロジー、ハイエンド製造業、新エネルギー、新素材、医療・介護などの分野で交流と協力を行い、中日関係の基礎を不断に突き固めるために貢献をする。人的交流という「手」をしっかりと握り合い、中日友好交流の新時代を迎える。

 

程大使はあいさつの中で、次のように述べた。中日は互いに近隣であり、両国関係はそれぞれにとって最も重要な二国間関係の一つだ。中日関係の長期的で健全で安定的な発展を推進することは、両国人民の利益に合致するのみならず、地域の平和と安定、発展に資する。中日両国は協力とウインウインの新理念に照らし、地域協力を共に推進し、グローバルな課題に対応すべきである。

 

程大使は、習近平主席はG20杭州サミットで安倍晋三首相と会談し、中日関係改善の方向を明示したと考えており、双方の来賓がフォーラムで以下の4点について重視するよう提案した。1、相互の認識と位置づけを調整する。2、対立や不一致を適切に管理・制御する。3、協力を通じて、両国関係の物質的基礎を固める。4、フォーラムを通じて、両国社会各界の相互理解を強化する。そして、中日の来賓が、中日関係の改善と発展により多くの先見性と創造性に富んだ優れた見解を提出するよう期待を表した。

 

福田元首相は講演の中で次のように述べた。現在の日中関係はいくらかの問題に直面しており、両国の当面の急務は現状のさらなる悪化を避けることだ。その上で、日中両国の指導者がG20杭州サミットで両国関係を改善させるという共通認識に至り、現在求められているのは、両国の有識者がそれを実践に移し、双方の民衆が互恵・相互補完の関係を理解するのを助けることだ。日中がグローバルな観点に立脚して協力を展開することは、それぞれの国家に対してだけでなく、東アジア地域ひいては世界の平和・安定と繁栄に大きく寄与するものだ。

 

岸田外相はあいさつで、日中両国は共に地域と世界の平和と繁栄を擁護する責任を担っており、相互協力は両国唯一の選択であると述べ、まさにG20杭州サミットで日中両国の指導者が意見の一致の中で提起したように、両国が協力できる分野で協力を展開し、プラス面を拡大しマイナス面を減らさなければならないと指摘した。

 

その上で、両国間の国民感情を高めることは、日中関係を強化する基礎だと強調した。また、「東京-北京フォーラム」を契機として、日中両国は各レベルでの交流と対話を推進し、日中の相互理解をいっそう促進し、新時代の求めに合致する日中関係を構築することを希望すると述べた。開幕式で、中国外文出版発行事業局の周明偉局長、公益財団法人国際文化会館理事長で元国連事務次長の明石康氏はそれぞれ中日の主催者を代表してあいさつを述べた。

 

周局長はあいさつの中で次のように述べた。中日が隣り合って位置している形勢は変えようがなく、両国が良き隣人になり、相互信頼、協力、ウインウインを実現するには、双方が良い願望を持つことが必要なだけなく、互いに順守する付き合いの道、規則がなくてはならない。そして、中日間の四つの政治文書と四つの原則的共通認識は、すなわち隣り合って付き合うための最も重要な道と規則だ。両国元首によるG20杭州サミットでの合意は、今回のフォーラムをしっかり行い、両国交流の新たな構想を打ち出し、新たなモデルを作り出し、新たな分野を切り開き、新たな原動力を探し求めるための重要なよりどころだ。

 

中国外文出版発行事業局の周明偉局長はあいさつの中で次のように述べた。中日が隣り合って位置している形勢は変えようがなく、両国が良き隣人になり、相互信頼、協力、ウインウインを実現するには、双方が良い願望を持つことが必要なだけなく、互いに順守する付き合いの道、規則がなくてはならない。そして、中日間の四つの政治文書と四つの原則的共通認識は、すなわち隣り合って付き合うための最も重要な道と規則だ。両国元首によるG20杭州サミットでの合意は、今回のフォーラムをしっかり行い、両国交流の新たな構想、新たなモデル、新たな分野を切り開き、新たな原動力を探し求めるための重要なよりどころだ。

 

明石康理事長はあいさつの中で次のように述べた。日中両国の指導者はG20杭州サミットで戦略的互恵の精神に基づき、両国関係のプラス面拡大に力を尽くし、危機の管理・制御と国民感情を高めるという面で合意した。これは日中関係の改善と協力実現の面での交渉に基礎を築いたものと考えている。そして、日中両国のフォーラムの来賓が具体的分野で積極的な議論を展開し、今回のフォーラムでより多くの成果を得られることを希望する。

 

現在の中日関係は全体的に安定しているが、依然としてぜい弱で、新旧の問題が複雑に入り組んだ鍵となる重要な時期であり、第12回「北京-東京フォーラム」は、日中両国のシンクタンクや各界の有識者が集い、中日関係の前向きな発展の継続の推進に立脚し、両国が協力しアジアおよび世界の平和と発展の重任を共に担うことに目を向け、多くの分野で、全方位の交流と検討をし、中日関係の新たな局面を切り開くために合意を形成し、道を探し求め、智恵を与えるものだ。

 

「北京-東京フォーラム」は2005年に創設されて以来、中日両国の相互の交流と理解を推進し、中日関係の長期的で安定的、健全な発展を促進し続けてきた。12年の努力を経て、フォーラムはすでに中日間の最も重要なハイベルの民間交流のプラットホームの一つになっている。

 

 

 

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