率直な交流行い、コンセンサス発表
第12回「北京-東京フォーラム」が閉幕

 

9月28日、中国外文出版発行事業局と日本の言論NPOが共同主催し、東京で開催されていた第12回「北京-東京フォーラム」が閉幕した。閉幕式には、中日両国の政界、経済・産業界、学術界、メディアおよび地方の代表など500人近くが出席した。

閉幕式では、元中国人民解放軍科学院中米防衛事務関係研究センター主任の姚雲竹少将、中国石油化学工業集団の傅成玉元董事長、日本の川口順子元外相、日中協会の野田毅会長がそれぞれ中日を代表して基調講演を行った。

姚少将は講演の中で、安全保障は中日関係で最も困難な分野だが、両国来賓は「北京-東京フォーラム」で率直で理性的な対話、真剣で積極的な検討を行っており、毎回私は感動すると述べた。そして、次の3点を提案した。まず、中日の安全保障関係改善にはまず危機管理から着手し、効果的な連絡メカニズムを打ち立て、誤った判断を防ぐこと。次に、中日の防衛事務部門が双方の協力分野を切り開き、地域と世界の平和のために手を携えて公共財を提供するよう努力すべきであること。第三に、中日双方は新たな安全保障上の問題の発生を防止すること。その上で、中日両国は数千年の近隣を続けており、双方が共に努力しさえすれば、乗り越えられない困難な坂はなく、踏み越えられない溝もないと述べた。

中国の産業界の代表として傅氏は次のように指摘した。中国は将来の世界の急速な変化を推進する重要な力である。台頭しつつある中国に向き合う最も良好な戦略は、その台頭を遅らせようとするのではなく、中国の発展に相乗りする方法を考えることである。日本は世界第3の経済体として、また中国の近隣として、最も中国の改革成果をシェアする能力を持つはずだ。中日企業は製造業、金融・サービス、省エネ・環境保護などの分野で非常に大きな協力の余地を有している。私は、より多くの日本製品が中国市場に入るのを見たいと願っているだけでなく、日本企業が中国企業と協力を展開することを手伝いたいと思っている。

川口元外相は、中国の地域文化の多様性や仏教がアジアの宗教に与えた影響を述べ、そしていかに異なった国情を持つアジア国家をまとめるかという点に言及した。中日はアジアの二大経済体として、アジアと世界の平和と発展に寄与することができるかどうかは、両国の長期的協力の方法と包摂的な枠組みにかかっていると述べた。

野田会長は、中日両国の交流の歴史を振り返ることを通じて、中日文化の近さを取り上げ、謙虚さは両国共通の美徳であり、双方が互いに尊重し合い、互恵・ウインウインを実現することを希望すると述べた。

閉幕式では、5つの分科会の代表がそれぞれの議論の状況と成果について報告した。

国家発展改革委員会学術委員会の張燕生秘書長は、経済分科会の報告の中で、双方のパネリストが中日企業の高速鉄道、化学工業、低炭素・省エネ、環境ガバナンス、介護サービスなどの分野での協力展開について積極的な検討を行ったことを紹介した。特に、新興のインターネットeコマースは、パネリストの強い興味を引き起こし、中日協力の可能性が大きいと考えられた。このほか、出席者は中日韓自由貿易区がもたらすメリットを早急に実現するよう呼びかけた。

上海市日本学会の呉寄南会長は、政治・外交分科会を代表して次のように発言した。中日のパネリストは理性的で実務的態度で、現在の中日関係の改善について熱心な議論を展開した。双方は、世界とアジアの現在の秩序は調整期に入っており、中日関係の発展は歴史的な試練を受けているという見方で一致した。中日両国は互いの発展方向について関心を持ち、しかし認知の面で相違がある。インターネット時代にあって、特にネット上の情報発信が引き起こす民族主義の波が中日関係に破壊をもたらすのを警戒しなければならない。

藤崎一朗元駐米大使は補足して、現在の中日関係の問題を検討し、中日の四つの政治文書が築いた両国の政治的基礎を忘れてはならないと述べた。

安全保障分科会の状況について、宮本雄二元駐中国大使は、中日のパネリストは朝鮮半島情勢の緊張が中日共通の利益にかかわると考えていると述べた。また、中日は意思疎通と交流を通じて、東北アジアの安全秩序の新たな枠組みを形成すべきであると述べた。

南京大学国際関係研究院の朱峰院長は、双方のパネリストは安全保障分科会において率直な交流を行い、積極的に相手の声に耳を傾けようとする姿勢が印象深かったと述べた。

清華大学当代国際関係研究院の劉江永副院長は、特別分科会について次のように総括した。同分科会の討論は主に中日の人的交流の強化を通じて両国の国民感情が低迷している現状を改善することに集中して行われ、パネリストは長期的な発展という観点から冷静かつ実務的でありながら、温かみがあふれた議論ができ、高度でありながら温もりも兼ね備えていた。

人民中国雑誌社の王衆一総編集長と近藤誠一元文化庁長官はメディア分科会の代表として総括報告を行った。王総編集長は次のように指摘した。中日のメディアは両国民の相互理解を促す面で認知の改善を導き、手助けするような義務があり、両国民がいかに中日関係を改善するかについて理性的な判断をするように取り組むべきだ。これには、双方のメディア関係者のたゆまぬ努力だけでなく、多様な視点からの思考が必要だ。双方のメディアには今後、互いに尊敬し、啓発し合い、互恵メカニズムを構築し、協力し合うことで、競い合いながら相互補完が実現できる局面を切り開いてもらいたい。

今回のフォーラムで、両国の有識者は現在の中日関係を改善し、両国が協力を通じて地域と世界の安定と繁栄の促進に建設的な役割を果たすように後押しすることについて、正確で透徹した見解を出した。それらの見解は『東京コンセンサス』に凝集され、閉幕式で発表された。

閉幕式の最後に、中国外文出版発行事業局の周明偉局長と言論NPOの工藤泰志代表はそれぞれ「北京―東京フォーラム」の中国側、日本側主催者を代表して、フォーラムに出席した両国の来賓、フォーラムに指針を提供した両国の外交部門、積極的に活躍したボランティアに対して、真摯な感謝の意を表した。

周局長は、あいさつで特に以下の点について指摘した。今回のフォーラムにおいては、中日関係のWhatとWhyだけでなく、Howがより多く注目された。双方の観点はいかに問題を解決するかに集中したが、これは非常に肯定に値する傾向だ。中日関係の発展をめぐり、新機軸を打ち出すような考え方が誕生するプラットホームを提供することは、「北京―東京フォーラム」の今後の目指す方向だ。続いては、いかにこのフォーラムならではの方法で中日国交正常化45周年を迎えるかが、来年のフォーラムの第一の任務になる。中日双方のパネリストが、来年のフォーラムをより良いものにするよう共に努力し、すばらしい観点を提供してもらいたい。

最後に周局長は次のように述べ、第12回「北京-東京フォーラム」の閉幕を告げた。「謝謝各位、北京見!(皆さまありがとうございました、北京でお会いしましょう)」

 

 

 

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