大雪冬至 雪の花が舞い落ちる
大雪
プロフィール |
黒龍江中医薬大学、漢方薬薬理教育研究室副主任、医学博士。漢方の食事療法、養生の研究に従事、黒龍江漢方医薬科学技術進歩一等賞を受賞。 |
今年は12月7日が二十四節気の大雪である。大雪は降雪量がさらに多くなるという意味ではなく、気温が一段と寒くなり、小雪のころより雪が降る可能性が高いことを意味する。
●大雪の節気と民俗
大雪の節気に、南京市の街を回ってみれば、数多くの住宅の入り口や家の窓辺につるされている塩漬け肉や腸詰め、塩漬け魚が目に入る。なんとなく「旧正月にはまだ早いが、とりあえず下準備」という感じである。生粋の南京人には、「節気の小雪には野菜を塩漬けにし、大雪には肉を塩漬けにする」習わしがある。この季節に、北西部の青海省で最も美しいのは「氷魚」で、これを北向きの部屋の軒下につるす。毎朝温水を振りかけて、薄く凍らせる。このように毎日一回振りかけて、しばらく続けると魚が厚い氷に包まれて、氷の彫刻作品のように美しくなる。こうして作った魚は自分たちが食べるのではなく、娘を嫁がせたり、嫁を迎えたりする時などに使う。
●大雪の養生
大雪の節気になると、ますます寒くなり、中国の北部は気温が大幅に下がり、雪が降り始める。雪の後に続く大風で気温が急に下がり、せきが出たり風邪を引く人が多くなる。このような病気は保温に注意を払わなかったためということが多い。漢方では、人体の頭部や胸部、脚部の三つの部位が特に寒さに襲われやすいとする。「寒さは足から」ということわざもある。足は心臓からもっとも遠く、血液の巡りが悪く少なく、しかも皮下脂肪がわりに薄く、保温が悪い。寒さに襲われると、反射的に呼吸器の粘膜の毛細血管が縮まり、抵抗力が低下し、鼻腔やのどが感染する。そのため、数九(冬至の次の日から81日間)は足の保温がとくに大事である。
大雪のころは「栄養補給」に適した時期で、民間では「冬に補えば、春に虎を倒す」と言われる。冬に栄養補給をすると、人体の免疫機能を高め、新陳代謝を促し、寒さに弱い体質を改善できる。また、体内の物質代謝がよく調整され、栄養をエネルギーとして最大限に体内に貯蔵でき、体内の陽気を引き出すことができる。この時期は蛋白質やビタミンが豊富で、消化しやすいものを多めに食べると良い。羊の肉は寒気を取り除き、益気、虚を補う滋養補給効果があり、血液の循環を促進し、防寒力を高める。冬に、羊の肉や山芋、クコなどをいっしょに食べると、より栄養が増す。
大雪の節気前後、かんきつ類の果物が大量に出回る。ミカン、ザボン、ダイダイはこの時期によく見られる果物で、適量に食べるとビタミンの補給になる。
冬至
今年は12月22日が二十四節気の冬至である。冬至はもっとも重要な節気の一つであり、北半球では一年の間で昼間がもっとも短く、夜がもっとも長い一日である。冬至を過ぎると、昼間は一日一日長くなる。冬至は各地の気候がもっとも寒い時期に入っていくことも意味している。
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伝統的な冬至節に、祠堂で祭祀行事を行う 浙江省温嶺市温嶠鎮山下村の陳氏一族 |
●冬至の節気と民俗
冬至は二十四節気の中でもっとも早く確定した節気の一つである。2500年以上前の春秋時代、中国はすでに「土圭」(古代の日時計の一種)を使って太陽を観測し、冬至の正確な時間を測定していた。冬至は俗に「冬節」「長至節」「亜歳」などと言い、古くから中国の伝統的な祭日である。学者の研究によれば、中国の漢代に初めて冬至の祝祭行事が現れ、人々は冬至を「亜歳」と呼ぶようになった。宋代になって、冬至は「法定祝日」と定められ、冬至になると文武百官は拝賀し、皇帝は政務を休み、民間では三日間商売を行わず、学生は休みとなった。現在でも、冬至を祭る習わしが残っている地域は少なくない。北方では、冬至に羊の肉や餃子、ワンタンを食べる習わしがあるが、南方ではこの日に冬至米団子や冬至長線麺を食べる習わしがある。一部の地域では、天や先祖を祭る習慣が残っている。
●冬至の養生
冬至から小寒、大寒に至る間はもっとも寒い季節で、霜焼けになりやすい。心臓病や高血圧の患者は病状が悪化することが多く、「中風」になる人が増える。漢方では、体内の血液循環は暖かければよく流れるが、寒いと滞りやすいとされている。いわゆる「血は寒に遇いて凝る」は、この道理を言っているのである。そのため、寒い冬は、高血圧、動脈硬化、冠状動脈性心臓病の患者は、発作を避けるようとくに気をつけなければならない。寒い冬には、お年寄りの部屋は防寒保温の措置を取り、柔らかくて保温性の良い服や布団を増やし、外出のときはとくに頭部や足まわりの保温に気を配る。また、羊の肉や鶏肉などの寒さを取り除く食べ物をやや多めに取ると、体が温まる。
人民中国インターネット版 2011年1月