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四川省瀘州市 伝統地酒が4大名酒に古い酒蔵が醸し出す味

 

女性の継承者も

国家レベル利き酒師の曾娜さん

30歳前半の曾娜さんは、舞踊出身の上品でスマートの美人だ。しかし彼女は、瀘州老窖酒の伝統的な製造技法の第23代の伝承者であり、しかも国家レベルの「白酒」審査員、酒管理センターの副主任、国家レベルの利き酒師である。こうしたさまざまな肩書きを彼女からなかなか連想することができない。

曾娜さんは、祖先から父までずっと酒づくりに従事する第一線の職工だった。彼女は十歳から成都で舞踊を学び、卒業後、舞踊家となった。2年後、瀘州老窖に入り、酒の歴史館の解説者や包装従業員、品質検査員を務めた。1998年にテストを受け、ブレンド師となった。13年を経て、彼女はすでにブレンド師の中のエリートとなり、瀘州老窖特曲、1573シリーズなど高級酒のブレンドと研究・開発を担当するようになった。

一般に女性は酒を飲まないので、ブレンド技術を習得することは難しいと考えられてきた。しかし女性は繊細であり、酒の味に対して細心である。曾娜さんの話では、女性がブレンド技術を習得するには、根気よく続けることが最も重要であるという。多くの女性は、家庭のためとか、子どもの健康に影響するのが心配だとかいう理由で転業してしまった。だが彼女はその道を堅持し、現在、息子は2歳半になったが、いたって健康である。

彼女は言う。「お酒は穀物を使ってつくったものだから、栄養があり、適度に飲めば身体にも良いのです。舞踊出身と利き酒とは矛盾しません。酒のブレンドも舞踊もともに芸術であり、舞踊は肢体の芸術であるのに対し酒は舌の先の芸術なのです。酒と舞踊はともにバランスや均等、美と内包を重んじます。基礎酒は若者のように血気盛んなので、3年から5年寝かせると、鋭気が弱まり、成熟し収斂するようになります。10年、20年も保存された酒は、非常にコクがあり、まるで知恵の豊かなお年寄りのようになります。酒のブレンドは、僧侶の修行のように、静かな環境で修練する必要があります」

ブレンドは、「組み合わせ」と「調味」という二つの部分に分けられる。酒造りの過程で、酒は毎回毎回、それぞれ異なる。異なる酒をすべて統一の基準に到達させるには、「組み合わせ」を行って完成させる必要がある。もし一定の水準に達した酒をさらに高級の品種にするならば、「調味」が必要である。この微妙な違いは、1回つくった酒に1万分の1から3までの量を加えることによって、「画龍点睛」の作用を引き起こすことができるのである。組み合わせが「画龍」(龍を描くこと)であるならば、調味は「点睛」(目を入れること)である。

この万分の一はどのように掌握するのだろう。曾娜さんの答えはこうだ。

「50ミリリットルの中に、小さな注射器の針先で一滴を加える――それが1万分の1です。ブレンドは心で会得するもので、言葉では説明できません」

高級な利き酒師の育成は簡単ではない。基礎的な味の分別から少しずつ訓練する必要がある。現在、22代目の継承者は3人、23代目の継承者は6人いる。曾娜さんが先生に師事して学んだことは、単に専門的な知識だけではない。品行が正しければ酒もその人のようになるということだ。

継承者の責任は重大で、優秀な伝統の技を伝えてゆくほかに、瀘州老窖の国際市場への進出を目指さなければならない。曾娜さんはそれを追求している。それはおそらく瀘州老窖の、成長しつつある新しい世代の考えを代表しているのだろう。

 

人民中国インターネット版 2012年1月30日

 

 

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