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氷雪とグルメ 厳冬の魅力

 

高原=文 馮進=写真

ハルビンは中国で最も高い緯度に位置する省都で、冬は長く厳しく、毎年11月から翌年の2月まで雪と氷に埋もれる。今や、この期間中にハルビンを訪れ雪景色やスキーを楽しむというのが、中国で大人気の冬のツアーになっていて、毎年1月5日ころに始まり1カ月前後の期間で行われるハルビン国際氷祭りは、さっぽろ雪まつりやカナダのケベック・ウインターカーニバルなどと並ぶ、世界屈指のウインターフェスティバルとして、多くの観光客でにぎわっている。

太陽島で見る氷像の壮観

ハルビン随一のショッピング街として知られる中央大街
冬になると、ハルビン市内各所の公園では、さまざまな氷像や雪像を展示するイベントが行われる。その中でも最も規模が大きく有名なのは、やはり太陽島のものだろう。この付近にはイベント会場が密集しており、昼間に国際雪彫芸術博覧会で雪像を見学し、夜は氷雪大世界の氷像を鑑賞することもできる。

その氷雪大世界は、国際氷祭りのメーン会場となっている。展示されるのは巨大な氷の彫刻作品が中心で、最大の氷の建造物は高さ30から40メートルもあり、頂上に登れば60万平方メートルに近い会場全体が見渡せる。毎年テーマが決められ、国内外から集まった氷の彫刻家たちが作品を競っており、一面の銀世界に氷の芸術品が立ち並ぶ様子がどれだけ壮観か、夜にライトアップされた氷像がどれだけきらびやかか、実際にその目で見なければとても理解できないだろう。

多数の氷像以外にも、氷雪大世界には雪や氷が楽しめるアトラクションが数多く用意されている。氷の滑り台、アイスクライミング、雪上サッカー、スノーモビル、雪上ゴルフなどがあるが、その中で最も人気が高いのは氷の滑り台だ。長さは数百メートル以上のものが多く、そこを木のそりに乗って滑り降りるのは爽快でスリル満点だ。また、それは可愛らしいホッキョクギツネと記念撮影することもできる。キツネたちは性格がおとなしく、雪穴の中で丸まっていることが多いが、その大きくつぶらな瞳で見つめられると、抱きかかえて連れて帰りたい衝動に駆られる。

雪質最高の亜布力スキー場

ハルビン郊外には多くのスキー場が点在している。名都、二龍山、平山などのスキー場が有名だが、雪質が最もいいということになると、やはり亜布力国際スキー場を挙げなければならない。亜布力の名はもともと「ヤーブローニ」という果樹園を意味するロシア語から来ているそうで、清代には皇族や貴族の狩猟場とされ、現在は中国最大のスキー場と総合雪上訓練センターになっている。

凍結した松花江で氷遊びを楽しむ人々

亜布力国際スキー場は長白山に連なる張広才嶺の三つの山が取り囲む山腹にある。最高峰は大鍋盔山で標高1374.8メートル。通常半年間も雪があり、11月から翌年3月まで1メートルを超す積雪に恵まれスキーができる。雪質はきめ細かく、粘り気があり表面がなめらかなため、非常にスキーに適している。しかし、亜布力でのスキーは、ヨーロッパ・アルプスなどとは感覚が大きく違う。アルプスの寒さはまだ温和で湿度もあるのに比べ、こちらは骨を刺すような寒さだ。長時間にわたって零下20度にもなるスキー場にいると、ダウンジャケットを着たくらいでは焼け石に水だ。十分もすれば、寒気が足下からはい上がり、頭の先まで感覚がなくなるだろう。亜布力にスキーに行くなら、防寒対策には念を入れ、くれぐれも地元の人の薄着を真似たりしないことだ。

自動車で亜布力に向かう途中、私たちはダウンを着て毛糸の帽子をかぶったまま車内にいたのに、まだぶるぶるとふるえていた。ところが、私たちの運転手ときたら、涼しい顔でクルマの窓を開けて風を入れ、こうのたまったのだ。「ここんとこ本当に暖かいなあ、零下10度ほどにしかならないんだから」。私たち南から来た数人はこの言葉を聞いて開いた口がふさがらなかった。以前から聞いてはいたが、東北人がどれほど寒さに強いか、この件で身にしみて分かった思いだ。

松花江沿いの「氷雪ハッピーバレー」は人気の冬のレジャー・スポット 初めてこのスキー場を訪れたスキーヤーのためには、マンツーマンでレッスンを行う専門のコーチもいる

 

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