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第十三回 北京在住女性の美の秘密♪女優編

                                                 文=馬島由佳子 写真提供=陳緑

心身ともに健康な女性は、いつも笑顔で、はつらつとしています。充実した毎日の生活を送っていると、自然ににじみ出てくるのだと思います。そのキラキラとした輝きのかげに、本人ならではの「努力」や「方法」が必ず隠されているはずです。今回は、私が出会った北京在住の素敵な女性を訪ね、その秘訣を教えてもらうことにしました。

――陳緑さんの毎日の基本的な生活習慣と、心がけていることを教えてください。

女優という職業柄、どうしても仕事の時間や休日が不規則です。休日は目覚まし時計を使いません。自然に目が覚めた時間に起きます。栄養バランスを考えた献立を3食、自分で調理していただきます。そして、美しくなるために、美容法を試したりして心穏やかに過ごします。時には、友達と遊んだりして楽しい時間を作るようにしていますが、友達との食事も必要な栄養が摂取できてカロリー控えめな日本料理を選択しますね。また、仕事・休日に限らず、毎晩10時に寝るように心がけています。美肌づくりには夜10時に寝るのが良いそうなので・・・・・・。

陳緑 中国山東省生まれ。北京大学情報管理学部卒、北京電影学院大学院で映画理論を学ぶ。卒業後、解放軍報社で編集の仕事を3年したあと、念願の女優に転身。陳さん主演の短編映画『失落之地』が2012ベルリン国際映画祭に入選。最新作は映画『南風』(日本上映未定)。

――健康法や美容法はありますか?

健康法も美容法も研究し実践していますよ!女優ですから外見は大切です。先輩の女優さんたちも様々な努力をしています。 

私は、まず、朝食前に生姜のスライスを3枚食べます。これは「古代のある中医師が、毎朝生姜3枚食べていたので80歳すぎても皮膚が丈夫できれいだった」という話を聞いたからです。それからナツメを毎日5粒食べます。「毎天五顆終生不見老(毎日ナツメを5粒食べていれば、一生歳をとらない)」という言葉を聞きました。基本は乾燥ナツメをいただきますが、季節によっては生のナツメも食べます。体を冷やさないように冷たいものは食べません。温かいものをいただきます。スープは汁にたくさんの栄養が抽出されているので、具は残しても汁は飲み干します。

化粧は、お肌のために撮影以外はしません。「米のとぎ汁は美白に効果あり」と聞いたのでとぎ汁で洗顔します。夜、美顔パックをします。寝る前は安眠できるように足湯をして、体を温めて疲れをほぐします。

運動は特にしていませんが、とにかく早歩きでよく歩きます。家事をして体をよく動かすことも運動の1つだと思います。あとは、毎晩10時に寝るように心がけ、3食を栄養バランスを考えていただき、おやつは食べない。甘いものは我慢しますが、月1回だけケーキなどの甘いお菓子を、頑張る自分へのご褒美としていただきます。でも、冷たいアイスクリームは避けます。

――日本の女性におすすめしたい、中国ならではの逸品を教えてください。

週3回、黒龍江省の自然景勝地『五大蓮池』の天然火山泥で顔をパックします。通信販売で1袋1元(2012年3月現在で約13円)で購入しています。パックをしたあとは毛穴の老廃物が出るようで、毛穴がキレイになり肌が潤いぷるぷるした感触になります。私が愛用している火山の泥パックは、吹き出物がある人や敏感肌の人にも使えます。

陳緑さん 陳緑さんご愛用のパック

――ベルリン国際映画祭に出席されたとのことですが、ベルリン市民の観客の反応はいかがでしたか?

 私の主演作品『失落之地』は、約500名収容のシアターで4回上映されました。聞くところでは、チケット売り場はなんと長蛇の列ができ、すぐに売り切れになったそうです。私もそれぞれのシアターに行きましたが、上映開始直前までチケットを購入できなかったお客さんが入口にあふれているのを見て驚きました。私は舞台挨拶に立ちました。毎回、挨拶終了後、舞台を立ち去ろうとしても拍手が鳴り止まず、観客はスタンディングオベーションです。私の小さい頃からの夢だった女優になれたうれしさが心から込み上げてきました。最高に感動しました。

  

映画『失落之地』より

  

――最後に一言

日本の方にも機会がありましたら、私の出演映画を見ていただきたいと思います。

最後に、日本の皆さまへ私が好きな場所、北京市にある劇場『湖広会館』と『皇家糧倉』をご紹介します。湖広会館は京劇をお茶と茶菓子付きで観劇できます。皇家糧倉は昆劇の劇場で、食事もいただけます。役者たちの衣装が美しくて、動きに気品が漂っています。私も、楊貴妃とか古代のお姫様に憧れていますので、いつか映画の時代劇で姫役を演じてみたいです。

<取材を終えて>           

私は陳緑さんと約2年前に北京の日本料理店で知り合いました。店内にひときわ美しい女性がいたので、店主に、「あの方は女優さんですか?」と聞いたのがきっかけです。その頃の陳さんは女優ではなく、編集者として活躍していました。当時の陳さんも素敵でしたが、美を追求している現在の陳さんは、美しさが増しています。今回取材をして、陳さんがこれほどストイックな生活を送っているとは知りませんでした。そして、「日本大好きですよ!日本語を独学で勉強しています!ぜひ日本へ旅行に行きたいです。観光だけでなく、京都の文化や着物にも興味がありますから」と日本好きであることも語ってくれました。

 

馬島由佳子

静岡市出身。

外務省在職中に赴任先の北京で中国医学、特に中薬に魅了され、2001年帰国退職後、財団法人交流協会で働きながら東京・本郷にある北京中医薬大学日本校で学び、2008年に国際中医師の資格を取得した。

現在、『人民中国』インターネット部に勤務。

 

人民中国インターネット版 2012年3月22日

 

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