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マリンバの音色に載せて 民間の中日交流事業 北京で開催

 

文・写真=光部愛

民間の有志からなる日本の日中友好99人委員会と日本マリンバ北星会、中国国際友人研究会の3団体は、8月24日から27日まで、北京で中日国交正常化40周年の記念事業を行った。日本からは62人が参加した。

マリンバ合同演奏会の様子

今回の事業は、書画展の開催、シンポジウム、マリンバ演奏会の三つで構成され、それぞれ民間ならではの特徴ある交流活動だった。

日本からの一行が到着した24日、中国美術館で「中日国交正常化40周年記念書画展」が開幕した。書画展には中国人書家による作品約200点のほか、日中友好書道教育者協会の飯高和子さんをはじめ10人の日本人書家による、国交正常化40周年に寄せる作品も展示され、中日両国の参加者が熱心に鑑賞していた。

市内の康銘大廈で2日間にわたり開かれたシンポジウムは、『日中国交正常化の歴史を振り返り、日中友好関係の未来を切り拓く』がテーマ。開会あいさつで、中国国際友人研究会の馬燦栄会長は、両国が署名した「四つの政治文書」に基づいて両国関係が空前の発展を遂げてきたとしたうえで「現下の両国関係は、一定の困難に直面し、若干の妨害要素も存在しているが、中日友好は変えることができない趨勢である」と指摘。これに対し99人委員会の横堀克己代表は、両国とも相手国に対する国民感情が悪化している現状を踏まえて「国家と国家の関係は、時に領土やイデオロギーで対立し、経済関係はあくまで利益を追求している。しかし民間の関係は、人間と人間の関係であり、永遠である。両国の民間人士が心を合わせ、数々の障害を克服しよう」と呼びかけた。

発言する中国側司会者の呉従勇氏(中央)

シンポジウムでは、中国の王泰平・元駐大阪総領事や日本の野田英二郎・元駐インド大使、明治大学大学院野田稔教授、中国人民大学老年学研究所・杜鵬教授らから報告があり、約百人の参加者は中日関係に関して自由で率直な討論を行った。

飯高和子さんが寄せた作品には「墨縁友誼」(書は結ぶ心の絆を)と書かれていた
今回の記念事業では受付や通訳、案内などで多くの中日両国の若いボランティアスタッフが協力。シンポジウムでは両国の若者からの発言もあった。

中国側からは通訳として参加した李鷺瑶さんが「中日友好は手に届くところにある」と題し、東日本大震災で被災した宮城県石巻市でボランティア活動をした際の現地の人との交流で感じたことを紹介。日本側は、日中友好99人委員会の原絢子さんが「日本と中国は合わせ鏡」と題して、北京で9年間暮らした経験などから「長所を取り入れて短所を補う関係を築いてゆくことが真の日中友好につながる」と中国語で述べた。

またパネリストとして参加した『人民中国』の王衆一総編集長は「文化交流は、相互理解を促進し、民間の相互信頼を拡大するパイプとなることができるか」と題して次のように語った。

「多くの『人民中国』の愛読者が今なお、中国に深い愛着を持ち、中国の発展と人々の日常生活を興味深く見守っている。文化交流がもたらしたイメージと感動は、マスメディアのニュースでは伝わらない、互いの心象風景を伝える役割を果たしている。現実の政治問題を解決するには新たな知恵を必要とするが、大衆文化の次元で、多くの感動が伝わる作品で両国民の心を潤す必要もあるのではないか。新世紀を展望し、『正常化』から『平常化』へと邁進する中日関係にとって、これからはチャンスも挑戦も多い時期だ。両国関係に強く影響を与える民意の基礎を改善するために、草の根の交流、青少年交流、地方交流と文化交流は特別な意味を持つようになった」

25日午後には、北京音楽庁で「中日合同マリンバ演奏会」が開かれ、子どもから大人まで総勢70人の演奏者が出演した。日ごろは聴く機会の少ないマリンバの音色に、約900人の観客からは大きな拍手が送られた。

北星会の北原千鳥会長は終演後のあいさつで「(中国でマリンバ普及活動を始めた)30年を振り返ると熱い想いがこみ上げてきます」と涙をこらえながら語った。

中日両国の演奏者たちは夜に行われた歓迎会で、プレゼントを渡したりしながら、直接交流を深めていた。

日中友好99人委員会は今回の活動について「日中の政治間関係が悪化している中で、私たちの友好活動はまったく影響を受けず、日本と中国の相互理解を深め、友好を促進するという本来の目的を達成することができた。こうした困難な時期こそ、民間の活動がよりいっそう重要であり、日中両国関係の改善のため力を発揮することができることを実際の行動で示した意義は大きい」としている。

 

人民中国インターネット版 2012年11月20日

 

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