『太安万侶の暗号(七)~漢家本朝(下)壬申の乱、そして漢家本朝の完成~』
園田 豪 著
本書は、日本の古代史をまったく新しい解釈で読み解いて大きな話題を巻き起こした『太安万侶の暗号〈ヤスマロコード〉』シリーズ7作品に続くシリーズ第8作・第9作として刊行された。
シリーズ完結編となる『ヤスマロコード(七)』は、鎌足を引き継ぎ、道教を奉じる北魏系渡来人の子孫が倭国を支配し続けるために、政治体制のみならず、『日本書紀』をねつ造することで倭国の歴史自体を塗り替え、父子継承による「万世一系」不文律とした藤原不比等の計略を描き出した作品。壬申の乱を勝ち抜いた天武天皇と藤原不比等が、大陸西域の吐番を扇動することで唐の支配から脱し、倭国に北魏を再興し、漢家本朝を完成させるその過程がダイナミックに描き出されている。
また、『ヤスマロコード(七)』を学術的に補完する目的で古代論考集『人麻呂の暗号〈ヒトマロコード〉と偽史「日本書紀」~萬葉集といろは歌に込められた呪いの言葉~』も同時刊行。日本と中国の古文書を読み解くことで、藤原不比等が持統・元明両天皇として漢家本朝の完成を差配し、偽史『日本書紀』と『萬葉集』を編纂することで歴史を捏造した事実を解き明かした。『日本書紀』と『萬葉集』の編纂に駆り出された人麻呂(大三輪朝臣高市麻呂)が「いろは歌」に埋め込んだ歴史の真実と二重に仕組まれた呪いの言葉を読み解いたセンセーショナルな論考。